「国際共通語としての英語」が高める文法の価値
2017年6月11日 CATEGORY - 日本人と英語
前回まで三回にわたって、「話すための英語力」から印象深かったトピック
一昔前までは、英語はあくまでも英語圏の言語であり、日本人が英語を学ぶ目的は、英米文化もしくは英語圏文化を理解することを意味していました。
ですから、ネイティブスピーカーの英語を目標とする学習方法が大勢を占めていたことは自然なことかもしれません。
しかし、今ではもはや英語は「国際共通語」となりました。
つまりは、非母国語話者と母国語話者の対話だけでなく、むしろ非母国語話者同士の対話の確率の方が確率的には高いものとなってしまったのです。
そうなると、「ネイティブはこう言う」という指南書や指導書はもはや時代遅れということになります。
ネイティブと同じような「正確な英語」「流暢な英語」が正解なのではなく、様々なバックグラウンドを持つ非母国語話を含めた多くの人にとって「分かりやすい英語」が正解ということになります。
ただ、当然のことながら、これはハチャメチャな英語で良いということではありません。
英語を英語足らしめている発音や構造など、すなわち文法のルールを前提とした上で、「ネイティブ英語」にこだわることなく、「自分らしい英語」を話すことを目指すということだと思います。
このことは、別の言い方をすれば、「文法の枠の中で自分らしい英語を作る力」こそが国際共通語としての英語の本質だと言うことになります。
奇しくも、私たちランゲッジ・ヴィレッジでは、その考えと全く同じことをすでに実践しています。
それは、「中学三年分の英文法を2泊3日で血肉にする講座」の中で行うトレーニングです。
この講座は、国内留学に直接参加するには基礎力が足りていない方を対象として提供しているものですが、学習した文法項目を使って自ら言いたいことを英語にしていくということを毎回繰り返していきます。
その際作った英語が「ネイティブはそうは言わない」と思われる文もたくさん作られますが、それでも文法的に正しいものについては、「正解」としています。
なぜなら、これはあくまでも文法の運用能力のトレーニングであり、ネイティブと同じような「正確な英語」「流暢な英語」を目指しているわけではないからです。
それよりも、英文法という「英語を英語足らしめている発音や構造などのルール」を前提にどんどん「自分らしい英語」を話すことをまずは目指してほしいと思っているからです。
そして、それができた後で国内留学に移行し、ネイティブと同じような「正確な英語」「流暢な英語」に近づけるトレーニングをして行くというスタンスです。
このように考えると、私共が運営する文法講座の方向性は、「国際共通語としての英語」の時代にこそ、その本領を発揮するものであり、その価値は今後ますます高まっていくであろうことを確信したのでした。