日本人と英語

擬態語と擬音語について

2019年3月15日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語のこころ」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「オノマトペ」です。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私は「しなやか英語辞典」という日常的によく使うフレーズだけど、一般的な学校教育ではなかなか出会うことのできない英語表現を、ランゲッジ・ヴィレッジのネイティブ講師から引き出す様子を撮影した動画とリンクしながらアイウエオ順に整理した「辞典」サイトを運営しています。

この辞書は毎週毎週更新していますので、「どんどん」ボリュームが増えていくものですが、時々その新着ネタに困ることがあります。その時に助けを求めるのが、オノマトペ、すなわち以下のような「擬態語」と「擬音語」です。

「ペラペラ」「すらすら」「つるつる」、、、「ガタガタ」「ザアザア」「ギーギー」、、、

しかしながら、これらがネタとして採用されるのは本当にまれなことです。

それほど、これらの日本語を英語に直すのは難しいというか、特に擬態語については一対一の関係に仕立てられないケースがほとんどなのです。(単純に音をまねることで出来上がっている擬音語については英語も豊富にあるようです)

そのため、英語のネイティブスピーカーである著者は、自他ともに認める日本語の達人であると言えども、この擬態語の感覚を自然体でとらえることの難しさを以下のように述べられています。

「擬態語が無数にある日本語と比べると、英語はいささか乏しいと認めざるを得ない。人間味あふれる擬態語が豊富にある日本語は本当にうらやましい。とはいっても、決して私が日常生活でそうした日本語を巧く使っているわけでもない。一度、例えば『まあ、ぼちぼちといったところですね。』とか『ぼちぼち行こうか?』とかいような言い方を覚えれば、自分も使ってみようと思うが、初めて新しい擬態語に出会うと、音だけで意味が想像できるケースはめったにない。日本語の擬態語は永遠の愉しい学習になりそうだ。」

具体例として著者は、「おっとり」という日本語の表現を著者は最終的に「placid」という単語と一対一の関係に仕立てることで何とか、その意味を理解したと仰っていますが、実際にはそれはあくまでも「近い」ということであって、とても一対一の関係に仕立てられるレベルの近さではないのだと思います。

この感覚がまさに、私が「しなやか英語辞典」のネタに採用しようと思っても、結局断念せざるを得ない理由です。ちなみに、いまのところ「おっとり」は採用されていません。

明らかに、「おっとり」と「placid(=落ち着いた、平静な、おとなしい)」はイコールで結ぶことができない雰囲気を感じてしまうのです。

その雰囲気とは、「おっとり」という言葉を使う時には、必ず「落ち着いた」「平静な」「おとなしい」という言葉を使わずに「おっとり」を使わざるを得ない何らかの理由でしょう。

著者ほどの日本語の達人がこのような本音を漏らすのを見るとなんとなく、「ほっこり」してしまいます。(笑)