日本人と英語

日本人を文法から遠ざける元凶

2016年2月21日 CATEGORY - 日本人と英語

文法              

 

 

 

 

 

 

以前に書籍紹介ブログにおいて「英文法の疑問」をご紹介しましたが、その中から皆さんの文法学習に有益なトピックを共有したいと思います。

今回は、表題のとおり、日本人を文法から遠ざける元凶である「文法用語」についてです。

書籍紹介ブログのほうでも、著者の大津先生が、日本人の英語学習に絶対に必要な「英文法」からできるだけ学習者を遠ざけないように、英文法の常識を身近な話題に引き付けて説明してくれています。

私も、自らが主宰する「中三文法を二泊三日で血肉にする講座」においては、まさにその部分に気を使っており、できる限りそれぞれの文法用語が何を意味しているのかを理解が進むまで徹底的に教えるようにしています。

ただ、本書の素晴らしいところは、その「文法用語」の名前の由来にまで踏み込んでいるところです。その中でも特に有益だと思われるものをここで一つピックアップしてみたいと思います。

am is are、do does をひとまとめにして to be、to do とするいわゆる「不定詞」です。

当然、「何が定まってないの?」という疑問が湧きます。逆に、are is are、do doesは三つ、二つになっていて、一方でto be、 to doは一つの形で済んでいるのだから、to be、 to doのほうが「定詞」のほうが、素直に納得する感じがしませんか?

これは以下のような理由からです。 This is a pen. の is は、この文の主語が this で、三人称の単数、しかも、時制が現在形だから is になります。つまり、is am are は主語によって、形を定められてしまっていると考えられます。

一方で、to be は、主語がいかなるものであったも関係なく包括的に表現するべく形を定められていないという意味で、「不定詞」と言われるわけです。 このように、文法用語というのは全く意味がなくそのような名前が付けられているわけではありません。

ですから、できる限りこのように名前を意味付けて紹介されれば、我々学習者にとっては、むしろ記憶のサポートにさえなるかもしれないのです。 そして、それぞれの文法項目が特定の性質を持っている理由も、きちんと整理して記憶することも重要です。

丁度ここで「不定詞」が出てきましたので、これを例にとりますが、SVOのところで、「Oとして『不定詞』しかとれない他動詞、『動名詞』しかとれない他動詞、両方ともとることができる他動詞がある」ということを学びます。 そして、その性質を持つ理由については、「そういうものだから」の一言で片づけられてしまうことがほとんどです。

しかし、本書ではその理由も実に見事に説明されていました。 不定詞の名詞的用法と動名詞はどちらも文字通り名詞として働くので、SVOのOになることはできますが、want は不定詞のみ、 finish は動名詞のみ、remember はどちらもOKと言われます。

ここで重要なのは、不定詞の to が「~へ」という方向を表す前置詞と同じ源から発しているということです。つまり、動名詞のように、「今そうしているということ」、もしくは「過去にしたこと」ではなく、これからそのことをする(方向へ)という意味だというのです。

これで、すっきりしませんか? wantするのは、これからすることですし、finishできるのは、今していることですし、rememberは(これから忘れずに~する / したことを覚えている)、wantは不定詞、finishは動名詞、rememberはしたことならば、動名詞、これから忘れずにするならば、不定詞ということになります。

まさにこれなど、このルールについては「そういうものだから」というように教えるのではなく、不定詞や動名詞という文法項目の特定の性質の理解と的確に関連付けて教えることで、我々学習者にとっては、むしろ記憶のサポートにさえなることの典型的な例です。

今回紹介したのは、そのほんの一部で、本書には英文法の仕組みをストンと腹落ちさせてくれるネタが非常が豊富に含まれていますので、是非手に取っていただきたいと思います。