コミュニケーションの本質
2017年8月30日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにおいて#165 #166と「お金と英語の非常識な関係(上・下)」をご紹介しました。
本書が、私のランゲッジ・ヴィレッジの運営に非常に大きな影響を与えてくれた忘れがたい本であるということは、書籍紹介記事の中に書きましたが、改めて今回読み返してみたところ、「コミュニケーションの本質」をとらえた非常に有用な部分がありましたので、ご紹介したいと思います。
それは、「戦場のメリークリスマス」というビートたけしさん主演の日本・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの合作映画におけるたけしさんにまつわるエピソードです。
以下、その部分を抜き出します。
「外国人スタッフの多い映画だったが、たけしの周りにはいつも彼らが群がった。そして、笑いの渦。たけしが例によって、首をカクカクさせながらしゃべる。そのたびに、外国人スタッフはドッと笑う。実に愉快なムードだった。ところがたけしがしゃべっていたのは日本語。英語じゃなかった。にもかかわらず、肩をたたきあって笑い転げるほどのコミュニケーションが成り立っていた。」
突然ですが、皆さんは街でいきなり外国人に「Do you speak English?」と聞かれて、「Yes, I do.」と答えられますでしょうか?
「A little.」とか「Yes, but not so well,,,」とか言い訳してはいけません。すかさず、「Yes, I do.」とです。
私は、「Yes, I do.」と答えることができる人で、その人が持っている「英語知識」が少なければ少ないほど、上記のビートたけしさんのようなコミュニケーションを成り立たせる力があると思っています。
つまりこういうことです。
その外国人は、単純に英語で私とコミュニケーションをとれますか?とその英語の巧拙については一切無関係に聞いているだけですから、「Yes, I do.」と答えるその人に「英語知識」が少なければ少ないほど、「ユニバーサルなコミュニケーション力」に自信があるということになるわけです。
そして、とかく日本人は他の国民と比べてもこの自信が極端に少ない人が多いように感じます。
このブログの中で今までも何度かお伝えしていますが、ランゲッジ・ヴィレッジのレッスンの中で最も人気がないのが、「フリーカンバセ―ション」のレッスンです。
そして、その不人気な理由で一番多いのが、「話題を講師からもっと振ってもらいたかった」というものです。
このような現象は、はっきり言って日本以外の国ではほとんど起きないと思います。
言語のトレーニングなのですから、「できるだけ多くの発言をしなければ、レッスンの時間がもったいない。」と普通は考えます。
そして、どうせ話すのであれば、自分の好きなテーマであったほうが得なわけです。
であるなら、自分が話題を決めることが許される「フリーカンバセ―ション」が一番好まれるという流れになるはずなのです。
「話題を講師からもっと振ってもらいたかった」という発言は、その権利を最初から放棄する気マンマンだという証拠以外の何物でもありません。
この姿勢こそ、日本人の「ユニバーサルなコミュニケーション力」をいつまでも低くしている元凶だと思います。
ですから、最も不人気であるのにもかかわらず、「フリーカンバセ―ション」は決してゼロにはしませんし、「話題を講師からもっと振ってもらいたかった」と言われても、できる限り生徒さんに話題を出していただくように仕向けるようにしています。
(そうでなければ、「フリー」カンバセ―ションとは言えないので当たり前ですが、、、)
ランゲッジ・ヴィレッジの目的は、もちろん英会話力を高めることではありますが、もう一つ、ランゲッジ・ヴィレッジの国内留学を経験した方が、実際に外国へ行ったとき、様々な国から来た外国人のグループの中での会話の中心になれるような人づくりができるようにすることです。
そう、ちょうどビートたけしさんがロケ中にやったことを「英語」でできるような感じです。
本書は、まさにそのような「ユニバーサルなコミュニケーション力」を身に付けるために必要なことについて上下二冊にわたって延々と伝えてくれています。