分かる、繰り返す、使う
2018年10月26日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「これからの英語教育の話をしよう」から、10テーマをいただいて議論をしていくシリーズの第八回、今回のテーマは「英語習得の方程式」です。
今まで英語教育の世界ではその時々で「この方法がいい」とされ、必ずそれは何かしらのエビデンスらしきものを伴って「流行」を作ってきました。
しかし、著者は次のような鋭い疑問を提示しています。
「本当に万人にとって『効果的』であるならば、時代の流れによって、そうコロコロと教え方や教授法が変化するでしょうか。」
そして、次のような結論を述べています。
「どのような教え方・教授法が流行っても、『分かる、繰り返す、使う』という三つの要素は、基本的に共通しています。」
具体的な方法としては以下のようなことを例示をされています。
「伝統的な文法訳読式に沿った学び方では、語や文構造を理解し、それを用いた反復練習を経て、実際的な文脈に落とし込んで使ってみることになります。近年の流行である『気づき』を促すものであれば、実際的な文脈で英語を使わせ、その上で英語表現に『気づき』、気づいた英文の語や構造を理解させ、反復練習を経て、再び使わせてみる、というやり方になります。」
この著者の発言は非常に示唆に富んでいると思いました。
それは、「伝統的なもの」か「先進的なものか」は無関係だということを例示して伝えてくれているからです。
「伝統的な文法訳読式」がまずかったから、英語を使える人間を教育できなかったのではないのです。また、近年の流行である「実践中心方式」だから、英語を使える人間を教育できるわけでもありません。
それらの流行に関わらず、「分かる、繰り返す、使う」という三つの要素がその方法に組み込まれているかどうかということが重要なのです。
私はこのことをどうしたら世の中に当たり前のこととして認識してもらえるのか、そのことが職業人生の目標となっていると言っても過言ではありません。
そのための一つの実践が、ランゲッジ・ヴィレッジの運営なのです。
ランゲッジ・ヴィレッジの「文法講座」と「国内留学」の連携は、まさにこの「分かる、繰り返す(文法講座)、使う(国内留学)」の三つの要素を確実に学習に取り込むための仕組みです。
だからこそ、私はこの連携を「英語習得の方程式」と呼ぶのです。