代表ブログ

モンテッソーリ・メソッド

2023年8月8日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回の「書籍紹介ブログ」においてご紹介した「英語で説明する全技術」の中で取り上げられていたのが、「整理する力」を向上させるための「大中小の法則」というメソッドでした。

これは、何かを説明するときには、「大(きなこと)」、すなわち抽象的なことから話をはじめ、「中」「小」と三段階で具体的なことに話を進めるという法則で、本書を読むことでこのメソッドの威力を理解することができました。

本書の中で、この「整理する力」を最大限に活用することで大成功を収めているGoogle、Amazon、FacebookなどのCEOたちが受けた教育として「モンテッソーリ教育」なるものを紹介していたのですが、個人的に欧米のエリートの多くが幼少期に経験したこの教育について非常に興味がわきましたので、早速調べて手ごろだった「モンテッソーリ・メソッド」を読んでみました。

本書では、Google創業者セルゲイ・ブリンの次の言葉によってモンテッソーリ教育の本質が表されています。

「モンテッソーリ教育では生徒に自由が与えられ、自分のペースで学び、何かを発見することが奨励されている。私が自分の好きなことを追求できているのは、この教育の賜物だ。」

このことを突き詰めると、「何をどのように行うかを自分で決める」という「自律」、そして自分自身で決めるからこそ獲得できる「集中」によって、創造性が育まれるということになります。

前回ご紹介した本ではこの教育の経験者として「Google、Amazon、FacebookなどのCEOたち」が挙げられていましたが、本書では、彼らに加えて、ピーター・ドラッガー、バラク・オバマ、ジョージクルーニー、そして藤井聡太の名前が挙げられており、ビジネスに限定されない幅広い分野で革新的な実績を残していることがうかがえます。

彼らに共通する特徴として「自分の得意分野を突き詰めている」「枠にとらわれない柔軟な発想力と実行力」「驚くほどの粘り強さ」が挙げられます。

また、本書には、モンテッソーリ教育の特徴的な方法論が数多く挙げられているのですが、以下に「整理する力」にフォーカスして幼少期にどのような工夫をすべきなのかを具体的に挙げてみたいと思います。

◆物は見た目よりも機能面を重視して与える

子供が自分で使えるものを与え、使い慣れたものをあまり変えない。

◆なるべく本物(大人と同じ素材のもの)を用意する

子供は大人が使っているものに興味を持ち、何時かは大人と同じものを使うときが来るため、それなら大人と同じもので子供サイズのものを用意する。

◆子供に選択させる

自分で好きなものを選べば「自分の持ち物」として認識できるし、愛着がわく。選択する習慣を持たせることは主体性をはぐくみ、また自分の選択に責任を持つことにつなげる。

◆物の置き場所を決め、持ち物を管理させる

可能であれば、用途別・機能別に箱を分けて用意するなど整理整頓、そして片付けの習慣を身に着けさせる。

◆ルーティーンで自主性を育てる

いつもと同じ手順で同じことを習慣にすることで自ら自主的に動けるようにする。

◆ダメなものはきっぱり伝える

子供の気持ちに寄り添うことが大事な一方で、ダメなものをダメだときっぱり伝えることも重要。その際、そのダメな理由をきちんと伝え、またそれを伝える親の態度に一貫性を持たせる。

これらは、何かを説明するときには「大」「中」「小」と三段階で整理することをルーティーンにするという「大中小の法則」に通じるものであり、これらを幼児期に徹底するということはとても重要でしょう。

しかしながら、モンテッソーリ教育に限らず、幼少期に日本の教育に相反する革新的な教育を与えたとしても、途中で日本の教育に合流させてしまうことで、子供を混乱させ、却ってマイナスの状況を引き起こしてしまうというリスクを強調する反対論も目立ちます。

正直に言えば、私自身も本書を読む前はそのような反対論に一定の理解を示す一人でした。

しかし、本書を読んでモンテッソーリ教育の本質に触れた今、それらの基礎的なトレーニングによって「自律」と「集中」を高いレベルで身に着けた子供は、その後仮に日本の画一的な教育に合流したとしても、「枠にとらわれない柔軟な発想力と実行力」と「驚くほどの粘り強さ」によって十分対処できるだろうと感じています。

実際、藤井聡太氏も、名古屋大学教育学部附属中・高等学校を最終的には高校三年時に自主退学したものの、5年以上在籍しながら「自分の得意分野を突き詰めている」ことにも成功しているわけですから。

むしろ、このような考え方こそ、日本の教育をあるべき方向に向かせる原動力のなるはずだと期待している自分がいます。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆