日本人と英語

「集合名詞」とは何か

2023年9月20日 CATEGORY - 日本人と英語

前回の「現在形という名称」に引き続き今回も、書籍紹介のネタとは無関係に、私が普段から問題意識を持っている項目について書きたいと思います。

それは、「集合名詞」と呼ばれる概念についてです。

この集合名詞、例えば「family」がそれにあたるということで「知っている」という方は結構多いと思いますが、実はその理解をきっちりできておらず「知っているつもり」になっている人が多いと思います。

というのも私自身がつい最近はでそうでした。

今回は、その「知っているつもり」を根絶することを目的として、遅ればせながら困ったときの「ロイヤル英文法」ということで調べてみましたのでそれを基に解説します。

まず、「知っているつもり」になっていた私が「集合名詞」として認識していた単語を以下にざっと挙げてみたいと思います。

family, comittee, crew, staff, audience, people, cattle, police, furniture, baggage, equipment, machinery など

今回、このブログでこのテーマを設定したのは、peopleは常に複数形扱いで「people are」としかならないのに、funitureは常に単数形扱いで「furniture is」としかならないという事実に初めて気づいたからです。(いや、正確に言えばすでに気づいてはいたのですが、そこに問題意識を持ったのが今回初めてだったというべきかもしれません。)

まずは「定義」です。

「集合名詞(collective nouns):いくつかの同種類のものの集合体を表す名詞をいい、可算名詞として用いられるのが普通だが、不可算名詞として用いるものもある。」

この時点で、私の当初の問題意識はざっくりとですが解決されたようです。

つまり、peopleもfurnitureも「いくつかの同種類のものの集合体」を表しているのですが、前者は集合体を可算名詞で表しているため「複数形扱い」にならざるを得ないのに対して、後者は集合体を不可算名詞で表しているため「単数形扱い」にならざるを得ないということです。

しかし、ロイヤルにはこの二つの大きな分類だけではなく、より詳細な分類及び説明が紹介されていましたので以下引用します。

Ⅰ 可算名詞として用いられる集合名詞

(1)単数・複数両方の扱いをする集合名詞

(familyタイプ:audience, cabinet,class, club, committee, company, crew, crowd, generation, government, jury, public, staff, team)

・単数扱い:The Jones family consists of six.(まとまり)

・複数扱い:His family are all tall. (構成員一人一人)

ちなみに今までの経験上、family以外にその集合名詞を(構成員一人一人)として複数扱いするケースを見たことないと思ったのですが、コンサル企業の「McKinsey&Company」などは「マッキンゼーと仲間たち(社員たち)」ということになることを思い出しました。

 

(2)常に複数扱いの集合名詞

(policeタイプ:people, cattle,clergy, poultry)

:Several hundred police are are after you. *常に複数を表すからaやoneはつけられないが数詞や複数を示す語はつくことがある。

では、一人や一頭などと言いたい場合はどうするのかということになりますが、その場合は a policeman, a person, a cow などと単数を表す単語を使用すれば済みます。当たり前ですが集合名詞はあくまで集合ですから。

 

Ⅱ 不可算名詞として用いられる集合名詞

こちらは意味上は集合体を表すが、単に単数として扱われ、物質名詞と同じ扱いを受けるため、量の多少はmuch , littleで示し、数えるときにはa piece of などの形を用いる集合名詞。ちなみにⅠは人の集合体であるのに対し、こちらⅡは物事の集合体を表している。

(:furniture, baggage, luggage, clothing, fiction, machinery, poetry, sceneryなど)

There were four pieces of furniture in the room.

There was much baggage in the airport.

ちなみに、baggageはアメリカ英語でluggageはイギリス英語です。ただし、現在では空港などでもどちらの表記も使われており、どちらの国でも両方とも問題なく理解してもらえるのでご安心ください。

最後に、集合名詞とよく混同されがちですが、「単複同形名詞」についてはすでに「sheepやfishに複数形がない理由」という記事を書いていますのでご参照ください。