日本人と英語

音読の効用

2015年10月4日 CATEGORY - 日本人と英語

音読

 

 

 

 

 

 

 

連続で引用させていただいている「日本人に相応しい英語教育」という本ですが、このブログのタイトルである「日本人と英語」というテーマにとって非常に興味深いものが次から次へと出てくるものですから、もう少しこの本について書かせてください。

今回取り上げるテーマは「音読」です。

音読が英語学習に良いということを否定する人はほとんどいません。(一部、音読すると発声するスピードより速く読むことができないので、速読の妨げになるという意見はありますが)ですが、なぜ、良いのかという理論的な説明を明確にしながら語られることは少ないと思います。

本書では、科学的な見地から非常に分かりやすく説明をしていたので、ここでご紹介します。

「音読では、①テキストの意味・構造的なまとまりを把握し、②それに基づいて音声化を実行する、といったプロセスを踏むことになる。これには、『構造・意味解析に関わる脳の部位』と『音声の認識・制御にかかわる脳の部位』をそれぞれ同時に並行的に稼働させることになる。少なくとも二つの言語処理を担う脳内機構が働くことになる。なれないとなかなか困難だが、これは母語を話す際に我々が無意識に実行している作業だ。日頃からこうした音読練習をしておけば、いざ外国語を話すといった状況に素早く対応できる。音読は、『単語を読み連ねる』表層的なレベルの作業では決してない。文法・知識情報を総動員して文章解析を遂行し、それを音韻・音調的に実現していく『多重並列的な統合処理』なのである。」

つまり、言語活動に必要な脳の働きをフルに動かす学習方法だということでしょうか。日本人は小学校で「本読み」という形で母国語教育でこれを習慣的に行いますが、どういうわけか、中学以降はあまりこれをやりません。ですので、「音読」というものに何か、「幼稚さ」を感じてしまう傾向があるような気がします。

音読にこのような効用があるということが、科学的に確認できているのであれば、中学生以上に対しても、この理屈の理解とともにしっかりとこの習慣を継続し、英語学習にまで適用すべきだと思います。

しかも、この方法は、現在の教育の人的資源に変更を加えることなく行うことができ、また従来の教育内容とも親和性が高いと思います。ですから、「日本人に相応しい英語教育」の柱をなすものとなると考えますがいかがでしょうか?