日本人と英語

なぜ右(right)は正しいのか?

2026年2月15日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「英単語の世界#357」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「rightの多義性」についてです。

前回は、「前後」という空間概念を使って時間概念を表現する例を見ましたが、「左右」という空間概念が時間に転用される例は英語でも日本語でも、そしてどの言語でもほとんど見られないようです。

その理由を本書では次のように説明しています。

「時間は一方向に不可逆的に進みます。一般に物は前方に向かって進むことから『前後』を示す表現は時間表現として転用することができます。一方、一定の進行方向を持たない『左右』の概念は、時間表現としては使いにくいと考えられます。」

まあ、そうだろうなと納得できる理由ではあります。

その上で、「右」に関連してタイトルにあるrightの問題についても触れられており、その内容がより興味深かったのでこちらも以下に引用します。

「英語で『右』を表すrightの原義は『正しい』です。rightに方向を示す意味が生じたのは、一般に右利きの人の方が多く、『正常』なのは『右』の方だと考えられたためです。一方、leftの原義は一説によれば『弱い』と言われますが、これは多くの人にとって左手が利き手でないことによります。left-handedには、『不器用な、下手な』という意味もあります。」

なるほど、ポジティブな「正しい」とネガティブな「弱い」がどちらも「新たな語義の必要性が芽生え、それらを吸収し、その意味のバリエーションを増やした」結果、「右」と「左」になったということで、何ともあるべきところにきちんとおさまったものだと思います。

 

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