前置詞「at」の意外なイメージ
2022年3月1日 CATEGORY - 日本人と英語
以前に書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の前置詞使いわけ図鑑」からいくつかテーマとして「意外なイメージ」を取り上げてみたいと思います。
第一回目のテーマは「at」です。
書籍紹介ブログの記事の中で、前置詞「at」の基本的なイメージは「at:(場所の)一点で。」だとして、以下のような評価をしました。
「(ランゲッジ・ヴィレッジの『文法講座』に参加される方に対して)単純に『at』を(副詞的に)訳すように指示を出すと、ほぼ100%の方が「~で」と訳されます。これはイメージがあやふやではありますが、何もつけないことで結果的に『(場所の)一点』というイメージを表現しようとする意志が感じられるような気がします。」
ところが、本書の中ではその「at」の基本的なイメージのみならず「意外なイメージ」が紹介されていましたので以下に引用します。
「atは語源的には『~へ』という『方向』と『接近』のニュアンスがあり、その場に密着したままグルっと回ることを暗示させます。そう考えると、駅やバス停を場所の一点と捉えられることから、その周辺を含めてat the station (駅のあたりで)とその地点での活動をイメージさせることになります。例えば、in the theaterは『劇場の中にいる』ことだけを示しているのに対し、at the theaterは演劇という活動が行われている劇場にいることから、『観劇中だ』という活動状態を表すことになります。」
また、書籍紹介ブログの記事の中では「in」のイメージについても「in:空間(内部)にすっぽり囲まれて。空間は立体的でも平面的でもOK。」と説明しています。
そうなると、「 night 」には期間的な幅がある以上、その期間の「中で」というイメージで「in the night」となるべき様に感じられるのに、実際には「at night」という「一点」のイメージをもつ「at」がなぜ使われるのかという疑問が起こってきます。
それについてもこの意外なイメージもあることを知っておけばその疑問を解消することができます。
「それは大昔の人々にとって夜は寝ること以外の活動ができない環境にあったことに関係があります。つまり、(彼らにとっては『寝る』こと自体が重要な夜の活動であったため)『at night(就寝中だ)』という発想だったのでしょう。」
非常に説得力のある分かりやすい説明でした。