OKではないOKサイン
2022年3月30日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の新常識」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「OK」です。
本書では、世界の多くに国において「OK」の意味を表す例の親指と人差し指で「輪」を作るジェスチャーが、2019年あたりから突然問題視されるようになったという内容のニューヨークタイムズの記事「When the OK sign is no longer OK.」について書かれています。
そもそも、この「OK」という言葉はこのジェスチャーとともに日本でも小学生からお年寄りまで広い世代に当たり前のように使用されており、しかもほとんど無意識的に元々は英単語だろうなと思われているわけですが、中学校でも高校でも「OK=大丈夫」という単語の正式な解説をしてもらう機会はほとんどありません。
そんな「OK」という言葉ですが、本書には以下のような解説がありました。
「そもそもなぜOKが現在のような『大丈夫、問題ない』という意味になったのかについては諸説ありますが、あるジャーナリストがall correctを意図的に誤記(Oll Korrect)した略語として、1839年にボストンモーニングポストという新聞にふざけて書いたのが始まりです。そして同時に指の形がOとKのように見えるジェスチャーも使われるようになりました。」
ではなぜこのジェスチャーが問題視されるようになったのか、上記のニューヨークタイムズの記事を引用して次のような説明がなされています。
「OとKが相手からはWとP(特に冒頭画像のように輪が右側の場合)にも見えるからです。WPは『White Powerの秘密のシンボル』を意味し、白人優位主義の象徴として、人種差別や少数民族に対する『憎悪のシンボル』として使う過激主義者が現れてきたのです。OKのジェスチャーは最近は、見方によって意味の異なる危険なものになってしまいました。」
何とも釈然としない理由だなとは思います。