あなたの夢は何ですか
2012年8月19日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
今週はJIPFLのブログで、最近で最も感銘を受けた本「ストーリーとしての競争戦略」(こちら もご覧下さい)を紹介しました。
本論については、そちらのJIPFLブログにありますが、このブログでは、この本の最後に非常に心にしみる部分がありましたので本論とはあまり関係ないですが、紹介させていただきます。
元ホンダの小林三郎氏は、「エアーバック」を最初に開発したという伝説の技術者ですが、彼が参加した学生とのパネルディスカッションにてのこと。
多くの学生が、自分の夢は、「グローバル人材になることです」とか「ベンチャー企業を起こして起業家になることです」など、元気のいい発言がたくさんでてきました。
普通に考えれば、今時、前向きな発言で頼もしいと思っても良いくらいの発言でしょうが、小林さんは次のように発言されたそうです。
「それは個人の「欲」であって、「夢」ではない。そのような「欲」に「夢」という言葉を使わないでください」
自ら事業を立ち上げようとするとき、「自分の生活」「自分の立場」のことだけを考えてするのか、それとも「世の中を少しでもよくする」ことを目標として結果的に「自分の生活」を潤すことにつなげるのかでは、全く違います。
この本は、企業の行う事業の最終目標を「長期利益」と定義して、それを実現するために「筋の良いストーリを持つ戦略」が必要であるという趣旨のものです。
その中で、著者がこの小林さんの一節を持ち出してきたというのには、とても深い意味があると思えました。
自分の「欲」を満たすためだけに戦略を描こうとするには、どうしても「筋」に限界が出てきます。
著者が言うところのストーリーが「強く・太く・長く」なりにくいのです。
社会に対してなんらかの良い影響を与える「夢」を持つことが、その三つの要素を満たすための最低限の条件なのではないかと思います。
私も自分自身の「夢」を常に再確認しながら戦略を描いていこうと思います。