はやぶさの感動再び
2019年7月15日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
先日(2019年7月11日)10:06に「はやぶさ2」が「地球近傍小惑星リュウグウ」への本年2月22日に続き再タッチダウン(着陸)に成功しました。
(再タッチダウン成功の瞬間のJAXA管制室ウェブのLIVEをスクリーンショットで撮りましたのである意味で「生写真」です。)
JAXAの「はやぶさ2プロジェクト」サイトによる成功報告は こちら をご参照ください。
ちなみに、「地球近傍小惑星」とは、「地球に接近する軌道を有する天体」のことを意味し、具体的に言えば、地球に衝突して甚大な被害を引き起こす可能性が潜在するものです。
NASAによると地球に接近するために監視が必要とされるものは約8500個あるとのことですが、これらの小惑星が今後少なくとも100年間は地球に衝突することはないとのことです。
この快挙は、2010年6月13日に幾度となく降りかかった困難を乗り越えて「地球近傍小惑星イトカワ」への往復60億kmの長旅を経て地球に帰還させたプロジェクトに次ぐ、素晴らしいものです。
当時の感動は、このブログでも書いています。
今回のプロジェクトについては、前回の「はやぶさ」の地球帰還の時ほどの大きなニュースにはなっていませんが、それはこのような快挙をある意味「当たり前」の出来事として私たちがとらえるようになったことの証拠でもあり、それはそれで大したことだと捉えるべきかもしれません。
しかも、今回はまだ全行程の半分まで来たということであるので当然と言えば当然かもしれませんが、それを確実にこなす姿に科学技術の進歩を一層実感します。
今回と前回の違いについて少しまとめてみました。
「初代「はやぶさ」と「はやぶさ2」は、いずれも小惑星まで赴き、地表の砂やチリのサンプルを採取して、地球に持ち帰ってくるというミッションは同じです。表面の岩石などに、太陽系が生まれた約46億年前の水や有機物が残されていると考えられていて、これらを調べることで太陽系や生命の起源の解明に役立つと期待されています。リュウグウに着陸して行うサンプル採取は、探査機の下部についたノズルのような筒を小惑星に立て、地表に弾丸を打ち込んで宙に舞う砂やチリを採取する方法はほぼ同じです。ただ、はやぶさ2はこれに加えて、重さ2キロの銅の塊を秒速2キロの速度で小惑星表面に打ち込み、直径数メートルの人工クレーターを生成し、そこに着陸して物質を採取することにも挑みます。初代は小惑星表面だけの採取でしたが、人工クレーターをつくり出すことで地表の下にある物質まで持ち帰るのが大きな違いです。はやぶさ2が地球に帰還するのは2020年末の予定です。ミッションスケジュールによると、今年9月から来年7月にかけて、タッチダウン調査を3回、ローバー投入を2回実施。来年11~12月ごろ、リュウグウを出発し、地球への帰路に着きます。軌道の関係で行きが3年半かかったのに対し、帰りは約1年で済みます。ただ初代と違って地球に帰還する際、満身創痍の状態で『ぼく、がんばったよ』と言いながら大気圏に突入して燃え尽きる予定はありません。もともと初代も突入させる予定はなかったのですが、故障のため仕方なく大気圏に突入させたのでした。」
前回のドラマチック帰還劇には、様々な奇跡が貢献しており、ミッション自体が失敗する可能性はいくらでもあったと言います。そのギリギリの経験から得られた様々な改善点を修正することで今回の「はやぶさ2」のプロジェクトは成立しています。
この改善の積み上げが大きな科学技術の進歩につながっていて、まさにその成果をこのように目に見える形で示されることに、ドラマチックな前回の物語の派手さとは違ういぶし銀のような魅力を感じてしまいました。
ちなみに、このミッションのすごさがとてもよく分かる動画を見つけましたのでこちらもご覧ください。
「はやぶさ2」自体もすごいですが、この人の説明の分かりやすさも半端ないです。