インドネシア視察旅行記①
2015年3月4日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
2/25~3/1までの日程で、地元金融機関の勉強会の企画「インドネシアスタディーツアー」に参加してきました。
この勉強会は、毎年世界の成長著しい地域への進出企業さんへの視察旅行を通じてグローバルマーケットへの理解を深めようという趣旨で毎年企画されていて、私も機会があれば是非参加したいと思っており、ようやく今年参加することができました。
今年の場所は、2億5千万人を擁する世界第四位の人口を抱えるインドネシアです。
静岡県には自動車関連の会社さんが多く、その会社さんの現地法人を視察させていただいて実際の体験談を聞かせていただくということで非常に楽しみにしていました。この辺の感覚的な部分については、実際に現地で奮闘されている企業様を見なければなかなか把握することが難しいと思っているからです。
今回、現地の法人の社長さんから直接的にお話をお伺いして一番勉強になったのは「グローバル化は画一的には捉えられない」という事実でした。
まずは、インドネシアにおいては、コスト削減のみを目的として進出できるような場所ではないということです。インドネシアは産油国であり資源が豊富であるのですが、精製の技術がないため、ガソリン等石油燃料は逆に輸入しなければなりません。そのため、燃料だけでなく、素材、電力等々の価格は非常に高くなっています。
また、部品などの調達も輸入が多いため日本で買うよりも高くつくことが多いようです。土地に関しても、中国と同様、法人による土地所有はできず借地権のみ認められており、その金額も決して安くないとのことでした。
そのため、コスト削減要因は人件費くらいなもので、しかもそれも年15%以上のペースで向上し続けているようです。
それから、なんといってもこの大渋滞です。
今回は3泊の滞在でしたが、ジャカルタ市内においてはウィークデーは渋滞していない時はないと思っていた方が良いというのが実感でした。ですから、物流事情はもはや最悪としか言いようがありません。
これは、インフラの整備のスピードがまったく経済発展のスピードに追いついていないために生じた悲劇です。JETROの方の説明が非常に印象的だったのですが、ジャカルタ市内の自動車の表面積を足し合わせると市内の道路の総面積の3倍にまで達するという面白い話がありました。すさまじいアンバランスさです。
このような中でも、インドネシアに進出することの目的はどこに定めるのかといえば、それは明らかに「市場」だと複数の会社さんが明言されました。
2億5千万人という人口を持ち、しかもその構成は人口ボーナス状態、すなわち労働人口のところが非常に厚いもっとも発展に適した状態となっています。平均年齢は29歳です。
そのような状態にある市場に魅力がないはずがありません。そのような場所に企業として寄り添ってともに発展すること。このような明確な目的をもって頑張っているという説明が印象的でした。
今回の視察では、コスト削減のために日本を捨てて海外に出るという発想は明らかに時代の遺物になっているのだと認識することになりました。
次回はインドネシア視察旅行記②として「宗教」について考えてみたいと思います。