キャッシュレス社会
2017年9月1日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
私が人生で初めてクレジットカードというものに触れたのは、アメリカ留学の時です。
ホームステイ先にお世話になることになったその初日に、クレジットカードを持っているか質問されて、持っていないと答えると、そのまま銀行に連れていかれ、すぐに作るように言われました。
1998年のことですので、日本では少なくとも私の周りでは、クレジットカードを持っている人はいませんでしたので、私はその仕組みや使い方などの知識は全く持っていませんでした。
でも、その当時アメリカでは学生でさえクレジットカードを持つことが当たり前のキャッシュレス社会でした。
日本では、ここ10年程前から高速道路のETCやネット通販が浸透しだしたことでようやく普通の人も使いだしてきたという感じですが、今でも街中では現金オンリーのお店も多く、まだまだ現金なしでは歩けないというのが現実だと思います。
先日(2017年8月6日)の読売新聞にこの「キャッシュレス社会」についての記事がありましたのでご紹介したいと思います。
「世界各地で現金を使わず支払ができる仕組みの普及が加速している。クレジットカードや電子マネーの普及に加え、スマートフォンを使った新たな決済サービスがけん引役となっている。現金志向が根強い日本でも、急増する外国人旅行客への対応などで、政府がキャッシュレス決済の比率を倍増させる方針を打ち出している。」
そもそも、お金、すなわち貨幣の機能は、次の三つだと言われています。
1. 価値の交換手段
2. 価値の測定手段
3. 価値の保存手段
これら三つの中で、貨幣が紙幣や硬貨の形でなければならないものなどありません。
むしろ、紙や鋳造物では、嵩張ったり、擦り切れたりするなど、この三つの機能の本質を弱めてしまう危険すらあるでしょう。
日本ではそれほど感じませんが、当時のアメリカもそうでしたし、現在の中国もそうですが、あまりにも使い込まれすぎて、ぼろぼろの紙幣の割合が非常に高く、それが本物かどうかをいちいち確認されるなどということが頻繁にありました。
つまり、技術の進歩によってネットワーク上で管理されることができるのであれば、貨幣は「紙幣・硬貨という形である」必要はまったくないことになります。
にもかかわらず、日本ではどういうわけか、現金志向が根強く、キャッシュレス決済の全体に占める割合は26%だと言います。
その理由として、「カード会社に個人情報を提供することへの抵抗感」「他国に比べ偽札が少ないこと」「機械の扱いが苦手」といった、購入者、販売者の両方の立場からのものがあげられています。
なお、他国の状況としては、最もキャッシュレス決済化が進んだカナダでは74%、英国の64%、スウェーデンの56%、アメリカの50%、中国の48%、ドイツは21%です。
ドイツは例外ですが、主要国では軒並み50%を超えています。
時代の進化によって技術的には一気に全面キャッシュレス化を実現できる状況にあるようですので、「ITへの信頼」が高い先進国や、「偽札リスク」の高い国では、50%近い水準にありますが、「偽札リスク」が低く、また慎重な性格の人が多いと言われる日本やドイツでは、低くなっているようです。
しかし、技術は進化し、その信頼性もどんどん上がっていくでしょう。また外国人旅行者の大幅な増加という外的要因も、キャッシュレス決済の比率増加に弾みをつけるはずです。
ただ、すべて購入明細が明らかになってしまうという点について都合が悪い人たちは、どこの国にもいるとは思います。
私を含めですが。(笑)