おすすめ書籍紹介

ヘミングウェイで学ぶ英文法 #287

2022年10月30日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

【書籍名】 ヘミングウェイで学ぶ英文法

【著者】  倉林秀男 河田英介

【出版社】 アスク出版

【価格】  ¥1,900 + 税

【購入】   こちら

前回ご紹介した#286「英文解体新書」は、「語法」→「英文解釈」→「英文読解」という英語の学習を
その段階を正当に踏んだ上で進めるための書籍として第一級のものでした。

今回ご紹介する本書は、それとは正反対の、「英文読解」→「英文解釈」→「文法」という方向性で書かれたものです。

著者としては、ヘミングウェイの文章は平易な語彙を使いながらも文章全体が「名文」されるその理由に「文法」の活躍が存在するため、「文章」からの「文法」の学習という上記の方向性とは逆ながら、いやむしろ逆だからこそ深みのある文法学習の素材として活用しうるのだということだと思います。

奇しくも、本書の共著者の倉林秀男氏は#286「英文解体新書」の著者である北村一真氏と同じ杏林大学で准教授をされており、大きな期待をもって読み始めました。

読み始めるとすぐに、ヘミングウェイの文章には語彙も平易で文法も完全に正当な形でしか用いられていないことに気づかされます。

どれだけ読み進めてもその正当な文法への信頼は揺るぎません。

つまり、#286「英文解体新書」の関連ブログでご紹介したカズオ・イシグロ氏の「破格」のようなケースは皆無なのです。

ヘミングウェイのような世界的に有名な作家の文章にもかかわらず、そこで使われている文法が平易且つイレギュラーなものがほとんどないという事実は、ほとんど奇跡的なことで、学習者のモチベーションを高く維持できるという意味で、彼の文章を「文法教材」としようとされた共同著者の両氏の発想は非常に高く評価されるべきものだと思います。

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