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ストラテジストにさよならを

2019年5月15日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

私は株取引は一切やりません。

取引自体への興味もキャピタルゲインに対する欲もありません。

そして、正直に言うと、自分でビジネスを自営していながら株取引をやっている人の意図も分かりません。

ビジネスを自営しているということはそのビジネスに対して自分以上のインサイダーはいないということです。

ならば、自分に余裕の資金があった場合、あくまでも自分自身がアウトサイダーである他社の株式ではなく、インサイダーとして自分のビジネスに投資するのが合理的な判断ではないかなと思うからです。(もちろん、私が理解できないだけなので、これは決して批判ではありません。(笑))

そんな株式投資ですが、その本質というものには興味はありました。ですので、たまには新書一冊ぐらいは読んでみようと思い、「ストラテジストにさよならを」という本を読んでみました。

本書の趣旨は、以下の三点です。

①「自分自身で身銭を切っていないのにもかかわらず、テレビなどで市場の将来を占うような発言を平気でするようないわゆるストラテジストの言うことには耳を傾けるべきではない。」

②「個人投資家として得られる情報など、機関投資家などプロが得られる情報には当然にして圧倒的な差があるわけで、個人として情報収集をもとにフェアな戦いなどできるわけもない。」

③「情報の量という意味では大きな差があるが、勝負となるのはその情報を分析した結果のロジックであり、その部分については個人投資家も基本を重視して勉強すれば戦う余地は全くないわけではない。」

一つ目については、詳述は不要で誰が考えても当たり前な話で、もしその将来の見立てに価値があるのであれば、その発言者は身銭を切って自ら勝負をしているはずですし、それならば間違ってもその発言はしないはずだからです。

つまり、その発言の価値は、いかにもっともらしい内容をその時間内でてきぱきとプレゼンできるかという「ショー」として評価されているに過ぎないということになります。

二つ目については非常に納得のいく説明がありましたので、そのまま引用したいと思います。

「個人投資家がプロに勝てないのは、個人投資家は株式市場の実状とは何の関係もない動機から投資することが多いからだ。たとえば買う時は、遺産をもらったり、ボーナスが出たり、家を売ってお金が入った時だ。売る時も同様であり、子供が大学に入ったから、あるいは家を買うからなどの理由で売却する。また、個人投資家が市場動向をよく考えてから行動したとしても、まず失敗する。株価の上昇期に、上げ相場が続くと期待して買いに入るが、その時はだいたい遅すぎる。暴落期に、あきらめて投げるのも同様に遅すぎる。しかも一般に個人投資家は、株式市場の中で厳密な比較・検討を行ったうえで投資するわけではない。二、三社についてさえ詳細な知識を持たない個人投資家がほとんどなのだ。たいていの個人投資家は、新聞やテレビ、友人、小口投資家向けアドバイザーなど、到底プロとは言えないような人々からの情報に頼っている。個人投資家が耳寄りの話だと思う情報も、実際にはまったく無意味なこともある。というのも、おそらくプロの投資家はすでにその情報を知っており、個人投資家の知る頃には株価に織り込まれているだろう」

そして三つ目についても、以下の文言を引用します。

「時として間違った判断が成功に結び付くこともあれば、きわめて正しい判断が失敗に終わることもある。しかし、長い目で見ればより深く考えた上での意思決定は、全体としては望ましい結果につながり、結果そのものよりも、いかに検討を加えて意思決定されたかが評価されることになる。つまり、理論やデータに基づく科学的なアプローチはそれを採用しなかった場合と比べて長期的には望ましい結果をもたらすことを信じて、『損切は早く、利食いは遅く』を実行すれば、大儲けはできないながらも年率7%くらいは達成可能である。」

この点については、この不確実性に満ちた世の中を生き抜く上で非常に含蓄のある言葉として感動すら覚えますが、殊、株取引に関して言えば、そのような努力をするのであれば、やはり自分自身はその努力を自分のビジネスに向けたいなと思わざるを得ませんでした。

本書を読んだ結果、「株取引は一切やらない」という私の信念はますます固いものになってしまいました。