プログラミング必修化に課題
2017年6月12日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
以前にこのブログで5歳の子供にプログラミングの考え方を教える絵本「ルビィのぼうけん」の紹介をしました。
この本の特徴は、プログラミングの考え方を教える本なのにもかかわらず、いわゆる「コード」が一文字も出てこないことでした。
世の中には、「簡単なことを難しく説明する人」と「難しいことを易しく説明する人」がいますが、どちらが優秀で価値が高いのかは自明です。
英語もまったく同じですが、特に小さな子供たちに初めて教える時というのは、その子供のその学習対象に対する一生の「好き嫌い」を決定づけるタイミングでもあります。
ですから、小学生に対する英語、プログラミングの教科化こそ、その教える人間を「難しいことを易しく説明する人」に限定してもらわなければ、大変なことになるということを理解する必要があります。
そういった意味で、私は小学校英語の教科化には大反対の立場を貫いてきておりますし、プログラミングの教科化についても前回のブログ記事において、慎重になるべきだと申し上げました。
そんな中で先日(2017年6月1日)の日経新聞に「プログラミング必修化に課題」という記事があり、プログラミングにおいての課題が取り上げられていました。
「文科省が以前導入に注力した電子黒板は、使いこなせない学校も少なくないという。環境整備だけが先行すると、新たな無駄な公共事業となる恐れがある。それを避ける手段のひとつは、教材の開発や、専門知識を持つ教員の育成を先に進めることだ。教育内容の充実や人材育成が伴えば無駄な投資のリスクが減る。そもそも「何で学ぶか」より「何を学ぶか」の方が大切なはずだ。今回の必修化では、算数や理科といった既存の教科にプログラミングを取り込むため、対策が必要だ。課題の解決に向けて、専門家は「NPOや民間企業にはノウハウがあり、活用する手がある」と話す。学校は外部と連携して教材開発や人材育成を急ぐべきだ」
私は、本当に意味あるプログラミングを子供たちに提供するためには、「難しいことを易しく説明する人」を連れてこなければならないと言いました。
この記事を読んだ限りでは、事前にその手当を教育行政が考えているとはとても思えない内容でした。
小学校英語の義務化決定のときにも述べましたが、教育はまさに国家百年の計といわれるものであるにもかかわらず、このように世の中の雰囲気に流され、事前の準備がない「導入」ありきの政策が次から次へと実行に移されていくことに、非常に大きな不安を覚えます。