中小企業ほどイノベーション!
2013年9月22日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
2013年9月20日、iphone5s 世界同時発売。
当日ゲットしました!
新しい物好きの私も、ドコモユーザーということでiphoneだけはどうしても手を出せなかったのですが、このたび遅ればせながら5cでようやくのゲットです。
そして、偶然が重なりまして同じ日、アップル日本法人の元社長 山元賢治氏の講演を聞く日でもありました。
あのステーブジョブズ氏と一緒に仕事をした経験のある方のお話を聞くことができるということですごく楽しみにしていたことと、5sのゲットと重なりましてかなり興奮していました。
そして、その内容は・・・・本当に素晴らしいものでした。
1時間半の講演中、ずっとアドレナリンが出っぱなしではあったのですがその中で一番印象に残った部分がこちらでした。
まず、山元さんがこちらのビデオを流されました。
これは、2001年にアップルがipodの初代をリリースした時のコマーシャルです。
この中に、企業のイノベーションの本質がすべて含まれていると山元さんはおっしゃいました。
つまり、「イノベーションを起こすために自分自身で世界を変えるような革新的な技術を持つ必要はない。人類が何を潜在的に欲していて、それを今世の中にあるものを組み合わせることで実現することがイノベーションである。つまり、そんなことは中小企業でも十分できる、いやもしかしたら中小企業のほうがやりやすいかもしれない」
ということでした。
このビデオで表現されているのはこんなことです。
2001年以前には、音楽を外に持ち出すためには幅の広いCDウォークマンを持ち、なおかつ一枚のCDにはせいぜい20曲くらいしか入らないのでそれ以外に何枚も必要に応じてCDを持ち出す必要がありました。
だから、わずらわしさを気にせずいろいろな曲を外で聞きたいという「こうなったらいいな」は誰も口にはしていないけれどあったわけです。
それを、アップルは、ハードディスクという自分以外の人の技術(この場合は東芝が、小さなハードディスクの開発に成功した)の存在を知って、ポータブルオーディオという既存の概念と組み合わせました。
それが、「A thousand songs in your pocket」という考えです。
小さいけれども大容量を記憶できるハードディスクを開発することは中小企業(アップルは決して中小企業ではありませんでしたが、経営的には当時非常に厳しかった)にはできなくても、この組み合わせの発想であれば、中小企業にもできる、いや、だからこそできるという考えに説得力を感じました。
ここまでが、山元さんの講義で話された内容です。
しかし、その発想をビジネスとしてしっかりしたものにまで成長させるにはそう簡単なものではないはずです。
たとえば、1000曲をどこから持ってくるのか?
全部、一個一個CDから録音するのか?著作権の問題は大丈夫なのか?とか、ハード的には他人の技術を利用することで何とかなってもソフトの部分では「イノベータ―」自身が自ら何とかしなければなりません。
アップルの場合は、2001年にipodを発売して、そのあと2003年にはそのソフトの充実を安心して図ることができるitunesという仕組みを、レコード会社など自身の権益を損なう可能性があると考えていた陣営との絶対に不可能と思われていた交渉を成立させていきました。
つまり、組み合わせるだけではなく、それを持続的なものにまで高める「トータルデザイン力」と世の中にないものを他者にイメージさせるまで説得を続ける「胆力」が必要だということだと思います。
それを実現するために絶対に必要なものはやはり、その発想に対する「情熱」だと思います。
山元さんの話を聞いている限り、彼にはそれがあるということがビシビシ伝わってきました。
本当に勇気をもらった一日でした。