
人生の勝算
2018年1月17日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
「高等教育無償化」が突然取りざたされるようになり、直近の衆議院選挙においてもどの政党も同じようにこれを当たり前のように訴えていました。
この政策についての是非をこのブログで議論することは避けますが、少なくとも、そのような政策が実現されていない世の中で、どんなに絶望的な状況にあっても「自ら取りに行く」ことでその逆境を克服してしまう人間はいるものだということを知りました。
まだ1987年生まれの起業家前田裕二氏その人です。
さっそく彼の著書「人生の勝算」を読みました。
彼は、もともと母子家庭で育っていた上に、小学校二年生の時に母親を亡くし、10歳年の離れた兄と住む場所を転々とした後、親戚に引き取られましたがうまく馴染めなかったと言います。
そこで、小学生の時分から路上でギターの弾き語りで生計を立て、苦学の末、早稲田大学の政治経済学部を卒業して外資系投資銀行に入行し、大活躍します。
その後、その成功にとらわれることなくゼロから自ら価値を創造する仕事を志向してDeNAに転職し、仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げ、スピンオフによって代表取締役に就任、現在に至ります。
正直、私よりも10歳近く若い彼が、終戦直後からの復興の時代ならともかく、この成熟しきった世の中でこのようなことをやってのけて来たことに大きなショックを受けました。
この本には、彼が小学生時代から路上ライブで生計を立てていたことから、「SHOWROOM」の立ち上げに至るまでをかなり細かく書いてくれていますが、私が最も印象付けられたことは、彼がその人生から見出した「(適正に)頑張る」方法です。
「頑張るという言葉を分解すると、『見極めて、やり切る』ということになります。それはつまり、まずは宝石がこの大きな鉱山のどこに埋まっているのか、どのようにしたら効率的に掘ることができるのかを全力で考えて仮説を立てることにエネルギーを注ぎます。すでに、掘り進めているライバルをよそに、あらゆる手段を使って効率的な採掘手段は何か、仮説を立てます。そして、原石が埋まっている可能性が高い場所を認識したら、他の場所は捨ててそこを掘ることに全力をそそぎ、後は血みどろになっても掘る。絶対に見つけるまで掘る。」
彼の人生の最初は、もしかしたら誰もが荒野そのものだと思って同情するくらいのものだったかもしれません。
しかし、その荒野の中にも、徹底的に探せば、わずかながらに鉱脈らしきものを発見することができます。
彼は、そこをだれにも負けないエネルギーで掘り進み、それなりの宝石を見つけました。
そして、今度はその宝石を原資に、もっと大きな鉱脈を探しに行き、また同じく徹底的にエネルギーをそこに投下することで、誰もがうらやむ宝石にいきあたったということ。
この「適正な頑張り」の方法を身に付ければ、当初の条件なんてものは大したものではないということを彼は教えてくれています。
「自ら取りに行く」気持ちを醸成することができれば、何とかしてそれを手に入れるための適切な頑張りをするはずです。
そうなれば、高等教育を無償化など必要はないかもしれません。