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劇団四季の美しい日本語の話し方講座

2010年11月25日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

私は、日本映画もアメリカ映画同様、見るのがすきなのですが、いままで一度で全員の俳優の言っていることがクリアに理解できたことがありません。

なにか、唐突にぼそぼそ言って、ものすごく注意深く聞いていないとあれっ?今なんていった?と一緒に見ている人にいちいち聞いてしまって大変迷惑がられてしまいます。

それならばということで、音量を大きくして聞いていると、たとえば爆発音や衝撃音楽などのところがあまりにも大きすぎてびっくりしてしまうようになるので、なかなかこれといった解決策が見つかりませんでした。

先日、劇団四季の社会貢献活動で、全国の小学生に向けて「美しい日本語の話し方講座」というものが行われていることを知り、見せていただく機会に恵まれました。

歌やせりふが、冒頭のように何を言っているのか分かりにくくなってしまいがちな舞台において、劇団四季のミュージカルやお芝居は、クリアではっきりとしているということに定評があるそうです。

それには彼らなりのしっかりとした理屈に基づいたトレーニングによって実現されているということで、そのポイントを小学生にも分かりやすく講義し、日本語の美しさへの意識を高めようとさせる大変すばらしい活動です。

その内容を簡単に要約しますと以下のようになります。

日本語は、すべて母音のみ、もしくは子音と母音の組み合わせによって作られているので、母音の発音が命である。すなわち、母音をはっきり発音する癖をつける。

その中で、気をつけなければならないポイントとしては、二重母音の発音。このとき、二つをただはっきりと発音するだけではぎこちなくなってしまい、美しくなくなってしまう。

従って、二重母音への対処としては二つ目の母音を一つ目の母音にくらべ、少し高く発音すること。

もうひとつは促音便、すなわち、「いっぱい」「とっても」「いっぱん」というような子音が重なったあとに母音が来るものについては、母音と母音の間を一音はっきりとあけること。「いぱい」ではなく「いっぱい」。ということ。

これらのことを具体的な例を使いながら楽しく分かりやすく教えてくださいました。
これらのことはかなり意識的に行わなければ「美しく」ならないということも実感することができました。

従って、なぜ、日本の映画が聞き取りにくいのかというと、ミュージカルや芝居とちがって映画という自然体の場面設定で妙に分かりやすい話し方を俳優がしてしまったら、分かりやすくてもとても不自然な雰囲気を出してしまうからなんだなということも分かりました。

なので、日本映画でも外国映画のようにある程度の字幕を出していただけると私としてはありがたいなと思いました。