孫正義の焦燥
2015年11月29日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。 ソフトバンクの孫正義社長について書かれた最新の本です。これまで強気一辺倒、有言実行を貫き通してきた孫正義社長の「焦り」について書かれた「珍しい」本だと思いました。
孫社長のすごさというのは、その「有言実行」、他人から見れば、あり得ないような「大風呂敷」を広げ、それを着実に実行してしまうことです。 以前「孫の二乗の法則」という本をご紹介した ブログ記事 で触れていますが、その一番有名なものが、孫社長19歳のときの「人生五十年計画」だと思います。 二十代 名乗りをあげる 三十代 軍資金をためる 四十代 ひと勝負する 五十代 事業を完成させる 六十代 次の世代に事業を継承する この時の記事では私は以下のように書いていました。
「孫社長について書かれた本を読むときは、単純に『いい気持ち』になることができないのです。それは、孫社長が嫌いとか、尊敬できないということではありません。まったくその逆で、あまりにすごすぎて、まねをさせていただくには孫社長があまりに遠すぎる対象であることを思い知らされるからです。(つまり、人間臭さが感じられないのです。)」
少なくとも、五十代の半ばまでは、確実にこの計画から外れることなく、このありえない計画を実現させていると言えると思います。私は上記の文章をそのような文脈の中で書いていたのだと思います。 しかしながら、孫社長は、事業を完成させようと思えばできたものを、この五十代で四十代でやるべき勝負をいくつもやってしまっています。言ってみれば、自らの意志でこの計画から大きく外れることを決断されたのです。 本書には、その決断ののちに起こっている大きなうねりの中の孫社長が生々しく描かれています。 そこには、様々な苦難と向き合い「焦り」「悩む」人間臭い「孫正義」が描かれているような気がしました。
それでも、孫社長は、この計画の完遂は諦めてらっしゃらないと思います。逆に言えば、当初の計画で想定したものよりも格段に大きなスケールでの計画の遂行を現在進行形で見られているということに、感動すら覚えています。 孫社長の焦燥を感じて、彼の人間臭さに触れたような感じを受けはしましたが、孫社長の発する 「俺はまだ100分の1も成し遂げていない」 という言葉によって、やはり本書によっても『いい気持ち』になることができませんでした。(笑)