その手があったか!「富士下山」
2022年6月22日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
令和も4年目になりますが、最近つくづく様々な分野で新しいものを開発するということが難しくなっていると感じています。
実際、人類のPC観を完全に変えるほどのインパクトがあった「i-phone」もバージョンを重ねすでに13にまでなり、もはやそのバージョンアップゆえの購買欲はほとんど湧かず、壊れた時にしかその買い替えの必要性を感じなくなりました。
そんな中で、目の付け所が非常に面白い「新商品開発の記事」をネット上で見つけましたのでご紹介します。
その新商品とは「富士下山」です。(富士「登山」ではなく「下山」です。)
以下、記事を要約します。
「私たちが提案する富士下山は、この富士山観光の概念を覆し、富士山の中腹から裾野を下るという、ありそうでなかった観光形態を開発し、新たな観光需要を見出すことに成功しました。同時に、これまであまり知られてこなかった富士山の自然、歴史、文化にスポットを当てることによって、この山が持つ本来の魅力を世の中に発信することにも成功しました。『富士山の魅力は五合目より下にその七割がある』というのが持論です。実際、富士山は日本一高い山であると同時に日本最大級の火山で、その自然は標高差によって様々な環境を生み出し、またその噴火した時代、場所によって様々な変遷を遂げており、その見どころは枚挙にいとまがありません。そして、驚くことにこれらの全てが五合目より下に存在しているのです。こうした様々なフィールドを専門のガイドが楽しく、分かりやすくご案内するのが私たちのツアーなのです。」
富士山という山は「見る山」であって「登る山」ではない、とよく言われます。
なぜなら、一般的な富士登山とは、五合目まではバスで行き、そこから山頂までずっとほとんど変化のない景色の中、溶岩が細かくなった砂礫の上を黙々と登るものであり、他の山に見られるような自然豊かな景色を楽しむというという「登山」の醍醐味ともいえる要素がすっぽりと抜け落ちているからです。
もちろん、晴れた条件下で山頂についた時に見られる景色は「富士登山」でなければ堪能できないというのはその通りですが、曇りや雨で何も見ることができず、ただただ「苦行」だけで終わるということのほうが可能性的には高いという大変リスキーなものです。
この記事からは、「新商品の開発」というのは、決してゼロから「新しい価値」を作り出すことばかりではなく、すでに存在しているけれども誰にも「意識されていない価値」を発見することでも十分に可能なのだということを教えてもらった気がします。
従来の「富士登山」の弱点を明確に認識しながら富士山の麓で生活をしていたにもかかわらず、この記事を読んで初めて「その手があったか!」と感心させられてしまった自分の鈍感さを反省したいと思います。