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意図的戦略と創発的戦略

2025年1月5日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

新年早々、非常に「面白い記事」をネットで見つけました。

「熊本県山鹿市の廃校が、コワーキングスペースや宿泊施設を備えた複合施設として生まれ変わった『YAMAGA BASE』が2024年4月にオープンした。ハーバード大学でMBAを取得し、ベンチャー企業役員などを経験した中原功寛氏が廃校を5200万円で買い取り、数億円をかけて改修を施して実現させた。コワーキングスペースやシェアオフィスといったイノベーション支援施設に加え、ワ―ケーションや農泊等、幅広く活用できる宿泊施設、飲食スペース、運動施設の他貸会議室、イノベーションスタジオ、キッチンスタジオ等各種レンタルスペースを併設している。」

私は、「国内留学」というコンセプトを遊休資産であった不動産にぶつけて創業したランゲッジ・ヴィレッジも、その運営会社である大芳産業株式会社の不動産賃貸業に関しても、「今までは誰からも見向きもされなかった資産の隠れた価値を見出し、それを社会に対して見える化すること」をモットーに仕事をしています。

ですので、このような事業を目にするとまるで自分のことのように興奮してしまいます。(笑)

その興奮ポイントとして、事業の中身はもちろんですが、この記事の中で取り上げられていた次のような指摘が印象的でした。

「これはハーバードビジネススクールで学んだ『意図的戦略と偶発的戦略』という考え方とも通じる。『最初から描いた戦略がうまくいった会社は、最終的に成功した企業の中のわずか7%しかない。むしろ予期せぬ出来事から生まれる可能性を重視することが重要』と中原氏は説明する。当初は地域貢献や農業関連の事業を主軸に考えていた中原氏だが、現在では国内外からの多様な利用者が集まり、予想以上の広がりを見せている。」

この最終的に成功した企業のうち、意図的戦略による成功率が7%しかなく、93%は創発的戦略によるものという指摘は、自分自身が事業を行っている中で、ものすごく実感として納得感が高いものでした。

ただこの創発的戦略は果たして「戦略」と言えるのかという疑問が湧き上がりました。

そこで調べてみましたら、このようなウェブページを見つけました。

「偶発的戦略」の原語としては「Emergent strategy」ということで、実際には「創発的戦略と訳されることが多いようですが、定義としては次のように示されていました。

「創発的戦略は、始めは明確な戦略がなく、とりあえずやってみてうまくいったことを後づけでつくられた戦略です。英語では 「Emergent strategy」 と表現します。Emergent のニュアンスは 『姿を表す」』です。」

つまり、「戦略を持たない戦略」という意味合いが強いようですから、戦略とは言えないのではないかという私の疑問はそれなりに正しいことになってしまうのかもしれません。

しかしながら、別のサイトにてこのようなページも見つけました。

「経営戦略論の学者であるヘンリー・ミンツバーグは『戦略とは計画的に策定されると同時に創発的に形成されなければならない』と言っていて、意図的戦略と創発的戦略のバランスをとっていくことが重要だとしています。」

まずは意図的戦略によって「計画」されなければならないが、その戦略内容は運用段階において予期せぬ事態は必ず起きることを前提として創発的戦略でもって柔軟に変化させるものということです。

これであれば立派な「戦略」と言えるような気がします。

というか、経営者は基本的には無意識のうちにこれをやっている(やらざるを得ない)のだと思いますが、これを「知識」として知っておいて、意識的に運用するという姿勢が重要なのだと思い直しました。

非常に有益な記事を年初早々に見つけたなと思いました。

 

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