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華氏451

2020年10月28日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日、今このご時世だからこそしっかり考えなければならないテーマを取り扱った「華氏451」という古いイギリス映画を見ました。

映画のあらすじはこんな感じです。

「舞台は、情報が全てテレビ・ラジオによる画像や音声などの感覚的なものばかりの社会。そこでは本の所持が禁止されており、発見された場合はただちに「ファイアマン(消防士)」が出動して焼却し、所有者は逮捕されることになっていた。(表向きの)理由は、本によって有害な情報が善良な市民にもたらされ、社会の秩序と安寧が損なわれることを防ぐためだとされていた。密告が奨励され、市民が相互監視する社会が形成され表面上は穏やかな社会が築かれていた。だがその結果、人々は思考力を失った愚民になっていた。そのファイアマンの一人であるモンターグは、当初は模範的な隊員だったが、ある日クラリスという女性と知り合い、彼女との交友を通じて、それまでの自分の所業に疑問を感じ始めた。モンターグは仕事の現場で拾った数々の本を読み始め、社会への疑問が高まっていく。そして、彼は妻に密告されることで追われる身となっていく。」

この映画は1966年公開なので、私は今までその存在自体も知りませんでしたがなんとなくこの題名には聞き覚えがあるように感じていました。

というのも、2004年の「華氏911」2018年の「華氏119」という二つのハリウッド映画は実はこの人間の知識をコントロールされてしまうことで民衆が政権によって特定の方向で誘導されてしまうことを批判した「華氏451」のオマージュとして作られたものであったからです。

「華氏451」にしても、それをオマージュとして作られた「華氏911」「華氏119」の二作品にしても、知識をコントロールしようとする敵は「政府」でした。

しかし、昨今の状況を考えるとそこにもう一つ「マスコミ」とそれによって扇動されることで「民衆」そのものも、民衆自らが意図するかどうかにかかわらず、知識をコントロールしようとする敵になる可能性があると強く感じています。

その敵と戦うときに必要なのはやはり正しい「知識」とそれに基づく健康的な「思考力」しかないわけです。

それらを獲得し維持するためには、一方的に降り注ぎ、受け身の形でしか受け取ることのできない情報ではなく、自分の意志で受け取りに行くことで得られる情報が必要となります。

そして、その多くが現在のところネット上に転がっていて無料で手に入る情報である可能性は非常に低く、少なくとも有料で「書籍」という形で存在している可能性が高いことは間違いありません。

おそらく、この「有料」というハードルと、自らが「選択」するというハードルを乗り越えることでしか、その敵と戦うことはできないのだと思います。

 

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