
素晴らしい講演
2013年10月6日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
先日、DeNAの創業者、南場智子氏のお話を聞くことができました。
私は、いままで携帯ゲームに全く興味がなく、この会社の存在に対してあまり関心がありませんでした。
南場さんというマッキンゼー出身の知性派の方がどろどろとした起業に対してどのように取り組んだかを自ら描いた「不格好経営」という本を読んだことからこの方への興味が大きくなり、今回お話を聞かせていただきました。
はじめは、思ってたよりも気楽なおばちゃんかと思わせるような感じで始まった講演でしたが、話が進むにつれどんどん引き込まれ、本当にすさまじい経験をされた方特有の「凄み」を感じさせられるものでした。
私は、「すばらしい」講演には二通りあると感じています。
一つは、この人にもできたのだから自分にもできるかもしれないというように、講演の後、勇気をもらえる講演。
そして、もう一つはあまりにもすごすぎて自分が小さく見えてしまって講演の後、なんとなく悲しい気持ちになりながらも自分はまだまだだと謙虚になれる講演です。
南場さんの講演は明らかに後者です。しかも、圧倒的にでした。
「コンサルタントとしてそこまでいいと思うビジネスなんだったら自分でやったらいいじゃないか」というコンサルタントに対してどこまでもついて回る恐ろしい一言に対して、「やる」という決断をしたこと。
「実際にはコンサルタントとして分析するようには全くいかないビジネスの中で、泥まみれになって現場で頑張る」というコンサルタントとして一度理論で固めた人はなかなかできないが、もっとも経営者にとっては必要なことを何年も赤字を垂れ流しながらやり続けたこと。
ほとんど常識のように考えられている「実際に会社を軌道に乗せた後、多くの企業で起こりがちな金銭トラブルを原因とする混乱」という現象をチームワークという理想によって回避し続けることができているということ。
どれをとっても、素晴らしく、「きれいごと」の経営、そして経営にとどまらない「きれいごと」の生き方を実現されているように私には見えました。
もちろん企業の内部までもを見させていただいたわけではないので、多少は割り引いて考えなければならないとは思いますが、「不格好経営」と今回の講演を聞かせていただいた範囲では、本当に「きれいごと」の経営が成り立っているようでした。
私としては、今後も後者のような講演を聞いたり、実際にそのような方にあったりすることで、自らを小さくとらえ、そこから成長するということで、芯の詰まった考えを持てるように努力していかなくてはと思っています。