職業と矜持
2011年8月7日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
私は、仕事にプライドを持つべきだと思っています。
中には、そんな余裕はないよ。生活のために働くんだという考えもあり、それを完全には否定はしません。
ですが、「自らが選択してその職業に就く」、「覚悟をもってその職業に就く」ということが求められ、逆にそうでない場合には、就いてはいけない職業もあると信じています。
たとえば、医師、教師、政治家、マスコミの記者・・・
これらは、生活のためだけに就くなら、絶対についてほしくない職種だと思います。
先日、朱講師のブログ記事にもありました中国高速鉄道の事故。
この件で、いま中国に大きな変化が出始めています。
少し前の中東のソーシャルネットワーク革命にも動じなかった中国社会ですが、今回以下のようなニュースがありました。
「中国の高速鉄道事故で、当局が報道統制を強める中、広東省の新聞が、鉄道省を「くそ食らえ」と罵倒する異例の記事を載せた。広東省の新聞「南方都市報」は先月31日付の紙面で、事故をめぐるインターネット上の議論を紹介する記事の中で、救助活動が打ち切られた後に2歳の女児が救出され、鉄道省の報道官が「奇跡だ」と発言したことを、「奇跡なんてくそ食らえ」と罵った上で、鉄道省の対応を「お粗末だ」と批判した。当局が報道統制を強める中での異例の記事で、インターネット上では、記事を称賛する書き込みが相次いでいる。」
正直、びっくりしました。
そして、中国人を見直しました。
かつての文化大革命の動きなんかをみても、「中国人はどうしても時の権力には絶対に逆らわず、それが倒れたときに、徹底的に批判する。」という国民性だと勝手に思っていたところがありました。
しかし、少なくともこの新聞の記事を書いた記者、それを許可した編集、この件にかかわるリスクを承知で引き受けた人々に敬意を表します。
命がけでジャーナリズムを守ろうとしていると思います。
命がけで、中国社会を『普通の』社会にしようとしています。
彼らは決して、生活のためだけにこの仕事をやっているのではないことは明らかです。
翻って、日本の政治家、マスコミは、どうでしょうか。
政権を堂々と批判したりする野党(最近では与党も平気で政権批判です。)、マスコミ。
堂々と批判することができる日本社会は確かに、『普通の』社会かもしれません。
しかし、その批判に責任を伴っているでしょうか。
批判対象の政権を引きずり落とした後の『代替策』が全くないなかでの批判はあまりに軽く醜いものです。
批判をするのなら覚悟をもってすべきです。
でなければ、政治家やマスコミを職にしなければよろしいではないですか。