自分の人生を生きる
2017年9月13日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
先日、建築界の巨匠 安藤忠雄氏の講演を聞く機会に恵まれました。
講演のタイトルは、「安藤忠雄:挑戦~自らの人生を生きる~」です。
正直これほど、自分の力で自分の人生を生きているということを世の中に見せつけながら生きている方を初めて見たような気がします。
ソフトバンクの孫正義社長について書いた時も、「すごすぎて」参考にならない、という表現をしましたが、安藤氏もまさにそれに近いものを感じざるを得ませんでした。
何といっても、世界的に有名な建築家で、東京大学教授やハーバード大学、イェール大学、コロンビア大学の客員教授までも務められているのですが、なんと学歴は工業高校卒。
建築に関わる知識についてはすべて独学で学ばれたそうです。
また、2010年に胆嚢、胆管、十二指腸の合流部にがんが見つかり3臓器とも摘出し、2015年には脾臓と膵臓も全摘するという大手術を経験され、現在合計5臓器がない状態でもなお世界を飛び回る活躍をされているとのことです。
講演では、ご自分の口から様々なことをお聞かせいただいたのですが、私が一番印象に残ったのは、彼が英語を話すことができないのに、ハーバード大学、イェール大学、コロンビア大学にて教授職を務めあげたという事実です。
彼は次のようにおっしゃいました。
「ハーバードから建築を教えてくれとオファーが来たとき、『私英語しゃべれませんけどいいんですか?』と聞いたら、『安藤先生には建築の心を教えてもらえればそれでいいんです。』と答えよったんで、それじゃあ、ということでやることにしました。」
この話を安藤氏がされたときに、コーディネーターとして参加されていた一橋大学の米倉誠一郎教授が、次のような合いの手を入れてくれました。
「今、多くの企業で英語公用語化の議論が盛んにおこなわれ、すでに多くの企業で複数の役員が外国籍であり、役員会は英語で行われています。その会議を意味あるものにするのに必要なのは、全員が最高の英語を話せることではありません。あくまでも、共通のベースとして英語を使用するけれども、スペイン語なまりの英語、フランス語なまりの英語、日本語なまりの英語をぶつけ合い、それぞれのメンバーが共通の気持ちになって、それぞれのアイデアをぶつけ合おうとすることこそが必要です。」
私はまさにその通りだと膝を打ちました。
そして、「それぞれのメンバーが共通の気持ちになって、それぞれのアイデアをぶつけ合おうとする」精神こそが、「自分の人生を生きる」上で最も重要なことなんだと感じました。
久しぶりに、元気をもらった気持になりました。