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誰かの犠牲の上に成り立つ便利

2017年3月27日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2017年3月16日)の週刊ダイアモンドオンラインにヤマト運輸の記事があげられていました。

それを読んで、この問題がヤマト運輸やアマゾンという個別の会社だけの問題では到底なく、社会全体の問題だということ明確に印象付けられました。

この記事には、以下のような実態が書かれています。

「日本の宅配ビジネスの品質を支えているのはドライバーの「頑張り」である。「今月は残業が多くなったのでもう帰りますね」なんて働き方をすべてのドライバーがしていたら、即日配達や地獄の再配達千本ノックなどできるわけがない。それはヤマトもしかりで、この会社の好調さはドライバーの「サービス残業」が支えている側面も否めない。」

実際に、ランゲッジ・ヴィレッジに出入りしてくれているドライバーさんも、朝荷物を届けに来たのに、こちらが別の集荷をお願いするとまた同じドライバーさんが夜に来て、という具合に一人の社員さんがフルで対応することが当たり前になっています。

そうなってくると、当然既定の労働時間の中で納まるわけはなく、その残業代が全て支払われるとすれば彼らの賃金はとんでもない金額になるだろうなと思いますので、かなりの部分が「サービス残業」であることは想像に難くありません。

今回の報道を通して、その実態が明らかになっていったということなのですが、問題の核心は次の記述にあります。

「ヤマト運輸にはドライバーが約5万4000人いるという。仮に2年間のサービス残業代が1人100万円なんてことになったら、540億円である。」

実際に、ヤマト運輸の2016年3月期の当期純利益を調べてみましたら375億円ということなので、もしドライバーさんが働いた分をそのまま払うとなると、その額は純利益の72%にあたり、大半が吹っ飛んでしまいます。

しかも、あの働き方は継続的に続けることは非常に難しいと思うので、残業での対応ではなく人員を増強していくとなると、ヤマト運輸の事業は本当の意味ではビジネスとして成り立たっていない可能性すらあるのです。

つまり、日本が世界に誇る便利な宅配サービスは、彼らの「犠牲」の上にかろうじて成立しているもので、しかもそれは持続可能性がかなり低いものであると言わざるを得ないということです。

私たち消費者は、この問題について自分事としてとらえざるを得ない時期に来ていると考えるべきではないでしょうか。

ネット通販事業が出たばかりのころ、一般の小売店と違ってお金のかかる店を持つ必要がないため、非常に低価格で消費者に商品を届けることができる画期的な仕組みだと言われていました。

しかし、このように見てみると、一つ一つの商品を消費者の手元にまで届ける仕組みというのは、実は店舗という一つの場所に商品を並べ、消費者がその場所を訪れることで購入するという仕組みよりも実は高コスト・非効率なのかもしれないという疑問がもたげてきたような気がします。

ヤマト運輸をはじめとする物流企業のドライバーさんたちの労働が正当に評価された状態の中で、「実店舗」と「ネット通販」の競争が行われるべきだと思います。

このことを実現するには、ネット通販事業者の意識改革よりも、私たち消費者の意識改革のほうが重要なのではないかと思います。