負けない技術
2016年11月27日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
前回に引き続いて、桜井章一氏の著書をご紹介します。
今回は、「負けない技術」です。
前回も述べましたが、この人の視点は、人間の奥底までも研究しつくしたような独特な鋭さがあり、表現の一つ一つに、う~んとうならざるを得ません。今回の「負けない技術」そんな心に突き刺さる表現が目白押しでした。
今回、私の心に突き刺さった言葉は、「『負けない』と『勝つ』は異なる」です。
「負けない」も「勝つ」も結果的には同じことを意味しているようですが、その本質は全く別物だと著者は見ています。
「『勝ちたい』という気持ちは欲望と同じで限度がない。限度がないからそれを達成するために汚いこと、ずるいことなども平気でするようになってしまう。際限なく相手を叩きのめすようなやり方も、『勝ちたい』という気持ちに支配された人間のやり方だ。それに対して、もう一方の『負けない』という気持ちは、『勝ちたい』より人間の゛素〟の部分、本能に近いところにある。(中略)『負けない』という気持ちには、『もうこれでいい』という満足感、納得感がある。」
私はこの言葉を聞いて、自分でも思うところがあると思いました。
これは、聞く人によっては、何を甘いことを言っているのだと思われてしまうかもしれず、あまり大きな声では言いたくないのですが、私は、経営者として「トントンの美学」ということを強く意識しています。
これはどういうことかと言うと、ビジネスにおいて、利益も出さないけど、赤字も出さず、「トントン」にするということは、それだけでとても素晴らしいことではないかという考えです。
仕入れも、広告宣伝も、そして従業員の給料(もちろん経営者としての自分も含め)も全て支払って、経済に好影響を与えたうえで、ビジネスの継続を維持する、そして、損もゼロというのであれば、それは本当に素晴らしいことではないかと心から思っています。
もちろん、結果として、それ以上の大きな利益が出ることを否定することではないです。利益は出れば出ただけ、いいに決まっています。ですが、それをどこまで意識的に求めていくかということと、今回のトピックである「『負けない』と『勝つ』の違いは、本質的に近いような気がしたのです。
このことに関連して、本書における次の言葉も併せて印象に残りました。
「人間には欲があるから『勝ち』に行ってしまう。『勝ち』にいく勝負が欲の支配する戦いだとすると、『負けない』というのは人が持つ本能からくる戦い方だ。欲のない動物や生物は『勝ち』にいくことはない。生きとし生けるものすべてが本来持っている戦う姿勢が『負けない』なのだ。」
負けない生き方、できるだけしてみたいと思います。