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TPP議論の本質

2011年11月1日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

TPP交渉参加可否の議論が大詰めを迎えています。

どのメディアでも、賛成、反対どちらも既得権益VS産業の将来性という二者択一の議論で、その議論は決して前向きではなく、ゼロサムゲームの様相を呈しています。

そんな中、先日のサンデーモーニングという番組を見ていて、非常に面白い見方をしている方がいらっしゃいました。

法政大学教授の田中優子氏が次のような内容のことをコメントされていたのです。

「TPPの議論の本質は、日本国が、今後大量生産パラダイムにしがみついていくか、それとも、新たなパラダイムとして、そのパラダイムをあきらめ、新たな創造性をもとに、少量でも十分生きていける産業構造を作り出す覚悟をするのかの検討であるべきだ。」

よく考えてみれば、日本の戦後はまさに大量生産のパラダイム一辺倒で突っ走ってきました。

そして、それに成功してきました。

それは、日本人の勤勉性と優秀さによってなされたことは否定もしませんが、賃金の欧米と比べて安かったという点も見落としてはいけないものだと思います。

今では、日本は世界でもトップクラスの高賃金国家となってしまっています。

そして、技術の新興国への移転も進んできています。

そんな中で、韓国や中国、インド、これからはベトナムなども続いて発展してきています。

そのようなビジネス環境の中で、今までどおりの、大量生産パラダイムにしがみつくことが果たして日本のあるべき姿なのかということに田中氏は疑問を投げかけたのだと思います。

そのコメントが発せられたのが10/30の日曜日の朝でした。

そして、翌日の10/31には、夜のニュースでパナソニックがテレビ事業の大幅縮小、すなわち大リストラ計画を発表するというショッキングなニュースがありました。

テレビのような精密機器と思われていた製品が、新興国も容易に高性能のものを作ることができるようになって、一気にコモディティかが進んでしまった結果だそうです。

タイミングがタイミングなので、本当にびっくりしてしまいました。

ただ、このことがすなわちTPP反対の一口実になってしまってはならないとも思います。

なぜなら、農業を守るということが『甘やかす』ことでは、その農業にとっても将来はないと思うからです。

守っても守ってもジリ貧状態がここ20年で続いている日本です。

農業の分野でも工業の分野でも関税に左右されない本当に魅力的な製品をその魅力を認めてくれる世界中の人々に届けることができる少量でも力強い産業構造にしていくことを念頭に置いた戦略が必要だと思います。

そのような覚悟を決める議論をすれば、TPPの議論は、「蚊が刺した」くらいの議論にしてしまうことができるはずだと思いますし、そうしなければ日本の将来は明るくなることはないと思います。