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落合家の英語教育に学ぶべきこと

2026年3月1日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回の「好きを一生の強みに変える育て方」の記事では、落合陽一氏を育てた落合家の教育について書かれた本について書きました。

その中で、落合家の英語教育についての項目に非常に興味深いエピソードが書かれていたのでこちらでご紹介したいと思います。

本書において、母親のひろみ氏は、陽一氏の幼少期の習い事に関して、唯一うまくいかなかったのが「英語」だと告白されています。

私はこのブログにおいて終始一貫して、英語の幼児教育について反対の立場をとってきましたし、先日出演したアベマプライムの番組でも主に、母語での抽象議論ができるようになる前の英語早期教育は「セミリンガル」に陥ってしまうリスクを考えると、我が子をアメリカ人やイギリス人にしてしまうというくらいの「覚悟」がなければ、やるべきではないと主張してきました。

落合家では、意外にも母親のひろみ氏を中心として、陽一氏の幼児期に英語教育、しかもインターナショナルスクール入校による本格的なバイリンガル教育を施そうとされたそうです。

その時のエピソードをひろみ氏が語られた部分を以下に引用します。

「陽一が三歳の時、セントメリーズ・インターナショナルスクールに入学させました。二週間ほどたったある日、学校から呼び出しがあり翌日すぐに出かけました。『お母さん、ヨ―イチを連れてあなた方家族はいつアメリカに引っ越すのですか?』『そんな予定は今のところありません』『それではなぜインターナショナルスクールに入れているのですか?』『将来英語が分かったほうが本人にとって有利になると考えているからです。』『それは間違いです。まずお母さん、一つ理解してください。ヨ―イチはこのスクールに来るとすぐに泣きだし、帰るまで泣いている。彼は今では英語は嫌いと言っています』『本当ですか?そのようなことは一度も私には話しておりません』『お母さん、彼はまだ三歳です。幼児にあまりにも早くから一度に二か国語を覚えさせるのは良くありません。その子供は語学を覚えることで頭がいっぱいになり、こちらの学校にいるとただ英語だけが分かる人間にしかなれません。つまり英語と日本語ではなく、英語なら英語だけです。こちらでは日本語の授業はありません。それでよろしいのですか?』私はただただびっくりしました。さらに校長先生は続けました。『ヨ―イチ君は将来どうするつもりですか?これから先、日本で過ごさせるのか、海外で過ごすのか』と詰問されましたが、応えられませんでした。『ヨ―イチは賢い子供だと思います。そうであれば普段使っている母国語、つまり日本語をしっかりと理解し、得意分野の勉強をさせてあげるのが親から与えられる最良の教育ではありませんか?英語を覚えることはいつでもできます。でもこの幼児の期間に二か国語を覚えさせることは本人の頭脳にとって決して良いことではありません』と説明されました。『でも、主人も私も英語は話せます。それでも日本語だけ今は習ったほうが良いとおっしゃるのですか?』『はい、そうです。あなた方ご夫妻はこれからずっと毎日365日、ヨ―イチがハイスクールに入るころまで英語だけ話して生活をすることができますか?日本人はまず日本語をしっかり覚えないと、日本人としてのアイデンティティも失ってしまいますよ』と私の考えの間違いを指摘されたのです。息子をダメにしてしまう前に、私のようなダメな母親に考えを改めるように諭してくださったのです。」

そうです。これこそが、私の指摘した「覚悟」の意味するところなのです。

そして、実際に幼児教育における英語教育を避けられた陽一氏は、その必要性に応じて英語学習を自ら選択し、それをツールとして活用されていることは、「日本人が見習うべき英語:落合陽一編」にて明らかにしたところです。

正直、落合家でさえ、インターナショナルスクールの校長の説得によってようやく考えを改めることになったわけで、この問題を「小さいころから英語を学ばせたい」と思っている日本の多くの親に理解してもらうのは本当に大変なことです。

しかし、この「セミリンガル」の問題は根が深く恐ろしい問題であるため、それがいくら大変なことであっても言い続けないといけないことだと考えています。

ちなみに、このセントメリーズ・インターナショナルスクールは、私の母校である静岡聖光学院中高等学校の姉妹校でもあり、ランゲッジ・ヴィレッジの講師の関係でも少々お世話になったことがある学校で、このエピソードを聞いたときに、「本質」を大切にする心を感じることができ、とても誇らしく思えました。

外国語によるコミュニケーションはアプリ(ツール)に過ぎないけれども、母国語による思考はOSであり、全く次元の違う領域であることを肝に銘じて子供の教育に当たるべきことをこれからも真剣に訴えていきます。

 

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