10秒リスニング #253
2021年10月12日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 10秒リスニング
【著者】 小西麻亜耶
【出版社】 三修社
【価格】 ¥2,200 + 税
【購入】 こちら
書籍ではありませんが、以前に「日経Lissn」というサブスクリプションサービスをご紹介しました。
その紹介記事の中で「これならいけるかも!」と思ったことを書きましたが、それから約二か月たった今も続けることができています。
その様に思った理由として私は以下のように書いています。
「日経新聞の記事ですから、日本人のビジネスマンであれば誰もが「英文内容に関する背景知識」のハードルを越えることができますし、スマホで利用すれば毎日の細切れ時間を活用でき、記事とのリンクと相まって「習慣化」のハードルも乗り越えられそうです。」
そして、その二つの理由のうちどちらがその勝因としてより強力かと尋ねられれば、後者の方すなわち「比較的短いから」のほうだと答えたいと思います。
一記事当たり「数分」という「短さ」が細切れ時間の活用を可能にし、継続する負担を圧倒的に少なくしてくれるのです。
だったら、日経Lissnの「数分」よりもずっと短い「10秒」という短さならばその負担はもっと小さくなるはずだとすぐに飛びつきました。
本書は、以前このブログでご紹介した「アップルジャパン前社長のポンコツ英語反省記」と「人生を変える英語力」の二冊の共著者である小西麻亜耶氏の新著です。
しかしながら、実際に体験してみた結果、私は大きな誤解をしていたことに気づきました。
本書では10秒という「超短い」英文を活用していますが、決して10秒でトレーニングが完了するわけではありません。
本書のトレーニングは次のようなステップで行われます。
STEP1:10秒の英文音声を聞いて内容に関わるキーワードを書き出す。
STEP2:最大10回繰り返し聞き、聞こえた英単語を(必ずアルファベットでカタカナ厳禁)できるだけたくさん書き出す。
STEP3:書き取った英文を清書し、文法的に意味が通じる文章にする。
STEP4:答え合わせをし、正しく書き取れなかった部分を確認してその原因を分析する。
STEP5:正しい英文の和訳をする。
STEP6:正しい英文を音読し単語や音のリズムを身に着ける。
一つのユニットを完了するのには少なくとも30分は必要になります。もちろん、学習者のレベルによっては、STEP2の10回を減らすことも可能でしょうし、STEP5の和訳を省略することもありかもしれませんが、それでも最低20分は必要だと思います。
タイトルにつられて、継続性重視の学習法の紹介をしたいと思って手に取りましたが、完全に当てが当てが外れました。
「お手軽さ」という意味ではそうかもしれませんが、このトレーニングの内容は非常に優れたもので、完全なる「リスニングの王道教材」と言えると思います。
ですから、これを続けるのは本当に大変なことで、途中脱落者は多発することは間違いないと思いますが、これを継続できさえすれば、リスニングの力は格段に上がることは間違いありません。
今まで、リスニング教材に「王道」と言われるものはほとんどありませんでした。
その意味では、大学受験生や留学予定者という継続のモチベーションを既に持ち合わせている方にとっては間違いなく、本書を活用することで確実な効果の見込める学習が可能となるはずです。