代表ブログ

AI翻訳精度が急速に向上

2018年7月8日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2018年6月23日)の日経電子版に「AI翻訳精度が急速に向上」しているとの記事がありました。ちょうど6月24日のブログ記事での指摘とも関連しますので以下にご紹介します。

「コンピューターによる言語の翻訳性能が急速に高まっている。AIで現在隆盛の技術、ディープラーニング(深層学習)を取り入れたのがきっかけだ。NTTコムが3月に始めた有料のAI翻訳サービスは、『ニューラル機械翻訳』と呼ばれ、人間で7時間かかる文章をわずか2分で訳した。速度とともに高い精度も大きな特徴だ。英語能力テストで高得点をあげた人が訳した文章と同サービスの翻訳文のでき具合を、どちらが訳したのかを伏せて専門家に比べてもらったところ、同等という結果になった。従来の技術では目的の単語をその周辺の単語を含めてどのように訳すかを決め文全体を対象にして訳を決めていたのに対し、ニューラル機械翻訳は文全体を対象にして訳を決める仕組みが確立したため可能となったというわけだ。(一部加筆修正)」

AIがいくら頑張っても、その翻訳は一つ一つの語彙の対訳を積み重ねることで出来上がるため、「部分部分は間違ってはいないが、全体としてたどたどしい訳になりがち」という壁を超えることは難しいと考えられてきました。

つまり、「文脈の壁」がいつまでもAIには付き纏うだろうということでした。

しかし、この記事の「目的の単語をその周辺の単語を含めてどのように訳すかを決め文全体を対象にして訳を決める」という説明から読み取れることはまさにAIがこの「文脈の壁」を乗り越えたということではないでしょうか。

ならば、もはや近い将来、「AI翻訳VS人間翻訳」という図式で外国語学習をとらえることは確実に無意味となると捉えなけばならないということです。

まさに、以前のブログ記事で指摘したように、外国語学習は「専門家や物好き以外はやる必要のないこと」になるでしょう。

それならば、私たち民間だけでなく、学校教育を含めた外国語教育業界はどうなるのか。

ランゲッジ・ヴィレッジのことだけを考えれば、前回お伝えしたように、現在と比べてごく少数の言語を相互理解と人間交流のために「ディープ」に活用したいと考える人々、例えば外国の人々を束ねて仕事をする必要がある海外赴任者にとってはむしろよりニーズが高まると考え、その部分について圧倒的な価値を提供できるはずだと楽観視しています。

ですが、現在日本の学校教育では小学校からすべての日本人に対して、大部分の人間にとって価値のないものになろうとしている「英語」を教えることとしているのです。

それも、本来やるべきことのための時間を削りながらです。

また、大学においても日本語を捨て英語のみを重要視する流れもできつつあります。

日本人はヨーロッパ言語以外では本当に珍しい母国語で科学・学問ができる幸せな民族です。

そのことのメリットが最大限に見直されるはずであろう時代がすぐそこに来ているのに、なぜこのような正反対の動きをとってしまうのか。

もう一度、日本人にとって英語は「思考の基礎」ではなく、思考の結果を伝える「ツール」に過ぎないのだということを強く訴えたいと思います。

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆