
なぜ白人種はコーカソイドと呼ばれるのか
2025年3月13日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「英語は語源×世界史を知ると面白い」からテーマをいただいて書いていきますが、第一回目のテーマは「コーカソイド」です。
「コーカソイド(Caucasoid)」とは「白色人種」を意味する英単語でドイツの人類学者ブルーメン・バッハによる造語で「Caucasus+oid」が語源です。
意味としては、「コーカサス(Caucasus)=コーカサス地方」+「のような(oid)」ということになるわけですが、問題はなぜ「白色人種」を表す言葉になぜヨーロッパの外れの地域にあるコーカサスの名前が選ばれたのかということです。
以下にその謎に関しての該当部分を引用します。
「コーカサス山脈のコーカサスはスキタイ語で『雪のように白い』という意味のkroy-khasis(クロウカシス)が基になっていると言うが、なぜ白色人種を表す言葉にこのコーカサスが選ばれたのか、その答えは旧約聖書の創世記にある。いわゆるノアの大洪水の物語で、ノアの箱舟が漂着したとされる山はアララト山。この山はコーカサス山脈の南にあり、この地域が神によって唯一選ばれたノア一族とその末裔たちの栄光の象徴となる場所だからである。このように、ユダヤ=キリスト教の偏った世界観が『コーカソイド』という言葉に込められている。ちなみに、『のような(oid)』という意味を持つ接尾辞だが、これは印欧祖語で『見る・見える』という意味のweidにさかのぼる。この言葉はラテン語でvidereに変化して、vision (視力)video(ビデオ)など視覚に関する英単語の語源となっていることからも、うかがえる。」
ここで、「ユダヤ=キリスト教の偏った世界観が『コーカソイド』という言葉に込められている。」という表現の意味が少々分かりにくかったのですが、以下のまとめ方を見てなんとなく分かるような気がしました。
世界の人種としてコーカソイド以外では、
モンゴロイド(Mongoloid)=モンゴル人のような
ネグロイド(Negroid)=黒人のような
人種以外では、
アンドロイド(Android)=人間のような(人造人間)
の意味で使われる単語である。
やはり、このような分類と命名がドイツの人類学者によりなされたということであれば、さもありなんというところでしょうか。