日本人と英語

「ジェントリフィケーション」とは

2022年4月3日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の新常識」からテーマをいただいて書いていますが、第八回目のテーマは「ジェントリフィケーション」です。

本書によれば、「ジェントリフィケーション」は日本にはない「不動産(街づくり)」に関する言葉(現象)だそうです。

ランゲッジ・ヴィレッジを運営する大芳産業株式会社には「教育事業」とは別に「不動産事業」も行っているにもかかわらずその存在すら知らなかったことを大いに反省しながら以下にその内容を本書より引用したいと思います。(笑)

「20th Century Wordsによれば、gentrifyという動詞が使われるようになったのは1972年で、to renovate or convert (housing, especially in an inner-city area) so that it conforms to middle class taste(特に都市の中心市街地において住宅を改修改造し中流化すること=下層住宅地の高級化)と説明があります。ようするに、スラム地区の再生により良好な住環境を求めて過去に郊外に離れていった若者やアーティストなどが戻ってくるという現象を指します。アメリカにおいてジェントリフィケーションが最も顕著なのはロサンゼルス地域と言われていますが、ワシントンDC、ニューヨーク、フィラデルフィア、シアトル、サンフランシスコなど多くの都市でその現象が見られます。またヨーロッパではロンドン郊外やドイツ各地などでも起こっています。かつての『危険地帯』には一流のカフェやブティック、ギャラリー、ワインバーがたくさんできていて、流行に敏感な若者が集まり、洗練された町のたたずまいを呈しています。この現象の結果、中高所得者層が都市中心地に流入し、その地域の地価が上昇し、犯罪率が下がるなど、治安が向上することもあります。しかし、そのために家賃や税金が上がるなどして、それまで居住していた人々が暮らしていけなくなったり、それまでの地域の特性が失われたりするという問題も起きています。」

確かにお金の力でその場所は「きれいに」なりますが、そこに以前から居住していた人たちはその恩恵を受けられないばかりか、逆に追い出されてしまうことを考えると複雑な気持ちにさせられる言葉に思えてきます。

ちなみに、この言葉の意味が拡大して、日本のラーメンのような大衆料理に高級な具材などを使って高い値段がつけられるようなトレンドを意味する「food gentrification」であったり、世界的な気候変動による海面上昇を恐れる上流階級の人々が、眺望の良い海浜地域を離れ、高台の安い物件を求めることでその地域の地価上昇につながる「climate gentrification」という言葉も生み出されているようです。

いずれにしても、お金の有無という一面的なことに「gentle」という言葉を当てはめることは決して「gentle」なことではない気がしてしまうのです。

長い目で見るとこの「ジェントリフィケーション」という言葉は、今まで見てきたようなPC(ポリティカルコレクトネス)の網に引っかかり、早晩姿を消す言葉リストに載ることになるのではないかと余計な心配をしてしまうのは私だけでしょうか。

 

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