失敗した数を競う意識
2018年5月11日 CATEGORY - 日本人と英語
前回に引き続き「科学的に正しい英語勉強法」からテーマをいただきますが、前回ご紹介した「日本人が英語がダメな7つの理由」のうち
①自信がない
「どうせ無理」と、英語を話すことから逃げてしまうので、上達しない。
③そもそも話しかけないから話せない
消極的で、知らない人に話しかけることが苦手なので、コミュニケーションがとれない。
④コンプレックスが強い
「英語ができなくて恥ずかしい」というコンプレックスが邪魔して、挑戦できない。
⑤正しく話そうとしすぎる
「正しく話そう」という意識が強すぎるため、失敗を恐れて離せない。
の三つに共通するのはどんなことでしょうか。
それは「失敗への恐れ」です。
日本人はこの「失敗への恐れ」に対して特に敏感であるということが、英語を自ら遠ざける理由となってしまっています。
「英語を話す」ということは、「知識を身に付ける」という要素と、「実際に英語を使用する」という要素が合わさってはじめて実現されるものです。
そして、英語を話すことに「実際に英語を使用する」という要素が含まれている以上、英語を話すことは、自転車に乗るのと同じく、体を使って覚える技能だからです。
自転車に乗るには、いくら知識を集めてもそれだけではダメです。誰もが、実際に自転車に乗ってみて何度も転びながら、つまり「失敗」を繰り返しながら身に付けたはずです。
本書にはメンタリストDaigoさんならではの非常に分かりやすい次のような事例が紹介されていました。
「ある有名な心理実験です。この実験では大学生をバーに集めて、『ナンパをして一番多く振られた人はその日の飲み代がタダになる』というキャンペーンを実施しました、その結果、最終的に一番ナンパの成功率が高くなったのは、最も多く振られた学生でした。失敗することを目的としたために、失敗することに抵抗がなくなった結果、たくさん失敗できたことが、成功につながったというわけです。」
この実験から得られる教訓は私たち日本人にとってものすごく重要なことだと思います。
そして、この教訓は英語教育に限らず、人間の成長すべてに当てはまるものであるはずです。
(致命的ではない)失敗の数を誇れる環境を日本の文化に根付かせる。
このことを意識して行えば、今までその正反対の前提しかなかった日本人には大きな収穫をもたらすはずです。