接続詞 or の使い方
2021年11月25日 CATEGORY - 日本人と英語
以前にご紹介した「伝わる英語表現法」からテーマをいただいて書いてきましたが、第六回目の今回が最終回です。
本書では一貫して英語のルールの厳密さを日本語との対比で明らかにしてきました。
最終回の今回はその厳密性の極みともいえる事例として「接続詞 or 」の意外なルールをご紹介して締めたいと思います。
一般に「接続詞 or 」は「~もしくは・・・」のように選択肢を提供する「選択の接続詞」と理解されていると思います。
ところが、本書にはそれ以外の使い方が紹介されていて、しかもそれが非常に細かい厳密なルールによって制御されていることに驚かされました。
それは「コンマ(,)」を伴っての使い方です。
コンマについては、以前にご紹介した「関係代名詞の非制限用法」の様にそれが付くか付かないかで意味が大きく変わる場合があるということは理解していましたが、この「接続詞 or 」に伴ってのケースについては今までノーマークでした。
以下、該当部分を引用します。
「A or BとA, or B の違いをご存知でしょうか。例えば前者は tea or coffe『お茶もしくはコーヒー』で、後者は130, or 20%『130すなわち20%』となります。A≠BとA=Bですから大変な違いです。特に科学技術論文を書くときには大切な注意です。英語は句読点に明確なルールがあって、その使い方に厳しいところがあります。」
実はこれも、関係代名詞の非制限用法のところで見たように、コンマの「付帯的な情報を与える」という役割によるものということで理解できるような気がします。
「コンマ」のような小さな要素にも、まるで数学の記号のような確定的な役割を付与している英語の「厳密さ」には本当に脱帽させられます。