日本人と英語

日本人にとっての発音の重要性

2015年12月20日 CATEGORY - 日本人と英語

発音           

 

 

 

 

 

 

  今回も引き続き「英語の害毒」について書きたいと思います。 私は、このブログの中でも「日本人が英語の発音にこだわる必要はほとんどない」という主張をしてきていますが、本書において英語ネイティブ以外の国の発音について触れている部分がありましたので、ご紹介したいと思います。

日本人の英語の発音が母語話者にどのくらい通じるかを調べた実験についてです。

「日本人の大学生が、カタカナ英語で読んだ単語や文をアメリカ人に聞かせて、書きとってもらう実験を行った。すると、単語を単独で読んだ場合、アメリカ人が正しく聞き取れた割合、すなわち、理解率は平均で41.6%だったが、文の中に出てきた単語の場合、理解率は平均66.8%へと大きく上昇した。threeを『スリー』と発音した場合、単独での理解率は14.6%だったが、文中では83.3%だった。monthsを『マンス』と発音しても、単独では16.7%だったが、文中では95.8%だった。thirtyを『サーティー』と発音したものは、単独でも81.3%、文中では87.5%が正しく理解された。」

私はLVの「中三文法を2泊3日で血肉にする講座」の中で、特別講座として「発音講座」というものを展開しています。この特別講座はたった20分程度のもので、すべての発音記号を完璧に身に着けさせるというものです。 ほとんどの参加者様が「そんなこと無理でしょ」とおっしゃいますが、確実に「完璧」になります。その理由は、日本人のほぼすべての人が既に、95%以上発音記号をマスターしているからです。それは、「ローマ字」という仕組みです。 その前提で、この20分でやることは、日本語にはないけど英語にはある母音を4つ、子音を8つの合計12個の発音記号を理解し、「発音できる」ようにすることです。ですから、20分で十分なのです。

しかも、私は、4つの母音、æ、∧、∂、ɔ、の内、最初の æ、∧、∂、は日本語の「ア」で行っちゃってください。ɔ、は日本語の「オ」で行っちゃってください。としています。 子音については、母音とは異なり、少しだけ英語の発音に近づける努力はしていただきます。というのも、母音と違って、「ア」や「オ」に近いけれども違う、微妙な違いを言い分けなければならない苦労と違って逆に簡単だと言えるからです。 ですから、「完璧」に「発音できる」というのは、ネイティブの発音のようにという意味ではなく、「相手に通じる」という意味です。 そして、子音は別にしても、母音のところで、「æ、∧、∂、は日本語の「ア」で行っちゃってください。ɔ、は日本語の「オ」で行っちゃってください。」と自信をもって言えるのは、アメリカ留学時代に上記の実験結果を体感していたからです。

日本人はRとLの発音ができないから駄目だという例として、「I like to eat rice(米).」が「I like to eat lice(シラミ).」があげられますが、こんなことは、ジョークのために作られた話であって、あり得ません。 なぜなら、いくら発音が不正確であったとしても「~を食べるのが好き」という文脈で米とシラミを混同することはあり得ないからです。 まさに、これが文脈の力なのです。 私は、英語自体の習得に関する「臨界期説」は信じていませんが、いわゆる発音修得の「臨界期説」については、ある程度信頼性はあると思っています。そのため、12歳を過ぎてから英語を学ぶ人は、「発音」に関してだけは、よほどの資金的、時間的な投資をしなければ、うまくならないと思っています。

ですから、私自身、日本人にとっての英語の「発音」に関しては重要性はそれほど感じていません。 そのため、「英語を道具として使用する」という目的で学習する人に対しては、「発音」は最低限のケアだけにして、「文脈」を作る能力を高める努力をするように指摘するようにしているのです。