日本語の「ら」はRAそれともLA?
2020年8月16日 CATEGORY - 日本人と英語
前回から、アナウンサーの安住紳一郎氏と明治大学教授の齋藤孝氏による「話すチカラ」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「日本語の『ら』の音」についてです。
私は、自らが主宰する「中学校三年分の英文法を血肉にする合宿」において、発音(記号)を「ほぼ」完全にマスターさせる回を設けています。
これを「ほぼ」完全にとした理由は、日本人が英語の発音を頑張ってできることと頑張ってもできないことに分類し、完全にできるものについては「きちん」と説明をし、完全ではないけどなんとなくできるものについては「簡単」に説明し、できないものについてはどうせできないのだから「諦める」ことをお勧めするという形をとっているからです。
そして、この「RとL」の発音については、「完全ではないけどなんとなくできる」ものとして、次のような「簡単」な指導に留めてきました。
「日本語における大方の『らりるれろ』は、英語の『L』の音だと思い、『R』の音は、『らりるれろ』を言う前に少しだけ『ぅ』と入れるような口の恰好をする。(でも実際には『ぅ』とは言わない)」
というものです。
これは、私がアメリカ留学時代のホストマザーに「RとL」の集中特訓を受けた時に、何度も何度も直された末に、自分なりにまとめた結論です。
ですが、やはり自分なりにまとめたに過ぎない表現ですので、どうしてもこのような形でお茶をにごすことに留めていました。(笑)
ところが「日本語オタク」である安住アナはこれについても以下のように素晴らしく「言語化」されていたのでした。
「『れ』の発音は『L』で口をつくるか『R』で口をつくるかの2種類があります。LとRの発音は英語を発音する時だけ意識する人が多いですが、実は日本語にもちゃんとした区別があります。ら行を発音する時には、舌を上あごに付けます。この時、真ん中の方に舌を丸めてつける『ら(R)』と前方の上あごに舌をそのままつける『ら(L)』に分かれるのです。『ラーメンを食べる』という時、舌は『ら(R)』の位置で上あごをたたいています。これが『味噌ラーメンを食べる』になると『ら(L)』に変化します。『ラーメンを』を『ら(L)』で、『味噌ラーメン』を『ら(R)』で言ってみると、ちょっとした違和感に気づくはずです。」
まさに、私の「『R』の音は言う前に少しだけ『ぅ』と入れるような口の恰好をする」というのは、まさにここでの「上あごの真ん中の方に舌を丸めてつける」ことを別の言い方で表現していたのだと言うことに気づきました。
ですが、どう考えても「言語化」のレベルとしては安住アナの方が数倍上だと負けを認めざるを得ません。
この表現をいただくことで、私の文法講座におけるこの「RとL」の発音についても「完全にできるもの」としてきちんと説明しようと思います。