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ふたご、三つ子の研究 その2

2015年10月16日 CATEGORY - 代表ブログ

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皆さん、こんにちは。

今回、次回と、「ふたごと教育」から引用しながら、「ふたご、三つ子の研究」について見ていきたいと思います。

まずは、「遺伝率」という考え方をご紹介します。「遺伝率」とは同じ遺伝子を持つことから性質や能力が似てくる率を出したものです。つまり、性質や能力に与える「遺伝」と「環境」の影響のうち「遺伝」の割合そのものです。

この数値を出すために、遺伝的には100%同じで、育つ環境も非常に近い一卵性双生児と、遺伝的には50%しか同じではないが、育つ環境は非常に近い二卵性双生児、それ以外の子供を比較することが非常に役立つわけです。

ですので、双生児の研究は、実は「双生児(そのもの)のための研究」ではなく、「双生児のよる(遺伝の)研究」という性格を強く帯びたものとなってきたようです。

その結果、例えば、ABO式の血液型は遺伝率100%、身長や体重等の体格は80~90%、性格的なものや知能は40~60%ということが分かってきています。

しかも、この遺伝率は生涯を通じて一定ではなく、変化していくことが分かっています。そして、この変化の仕方が意外な結果となっています。

というのも、私たちの常識的な感覚からすれば、成長していくにつれて様々な経験をする、すなわち環境からの影響を受けるため、遺伝率は下がっていくように思えます。

しかし、実際には、逆に高まっていくというのです。例えば、IQに関する遺伝率は、4~6歳で40%ですが、16~20歳で60%、成人して時間がたつと80%近くまで上昇するようです。

確かにこのことは、意外な結果のように見えますが、よく考えると、「あの人は年を取ってきて親父さんにそっくりになってきた」などと言う会話は結構聞かれますよね。

このことの意味合いを本書では以下のようにまとめています。少し長くなりますが、重要だと思いましたのでできるだけ引用します。

「私たちが暗黙の前提としている遺伝と環境が独立のものとしてあり、その偶発的な絡み合いの中で発達が規定されるという考えは、妥当ではないということである。遺伝と環境は独立ではなく、端から様々な機序を介して分かちがたく関連しており、しかもその結びつきは加齢とともに上昇していくということである。言ってみれば、遺伝が偶発的にある環境に出会うのではなく、遺伝が必然的に特定の環境を呼び寄せるのである。人は成長し、主体的意思に従っていろいろな経験を積むことができるようになればなるほど、自身が持って生まれた遺伝的素因にかなうよう、自らその生活環境を選び組み立て、又その中から種々の刺激要素を取り込むことを通じて、個人の特有の心身の形質を発現していく傾向を備えていることを示唆した。例えば、油脂成分の多い食物を好む遺伝的傾向を有していても、仮に親がそれを与えなければ、発達早期にそれが体形や体質に反映されることはあまりないが、自分で金銭を有し、自ら購買行動を行えるようになれば、それは如実に表現型となって表れやすくなるのである。このように、遺伝と環境による発達への影響は、単に両者の相加でも相乗でもなく、実は遺伝は環境を通して、すなわち遺伝はそれに合致した環境の解釈や選択や構成を通して、発達の中に徐々に現実的な形を有するに至るのである。つまり、遺伝とは学習や経験のメカニズムそのものと言っていいかもしれない。幼い子供は、自身の養育者はもとより、その生育環境のほとんどを自ら選べない。だからこそ、置かれた環境如何によって相対的に大きく影響を受ける。しかし、加齢とともに次第にそうした状況から脱し、自身で能動的に選択して行動ができる幅が広がると、もともと持っている学習メカニズムをより多く用いることができるようになるのだろう。(一部加筆修正)」

そうなると、私たちが行っている「教育」という活動の影響力は思っていたよりもずっと、限定的なものに思えてしまうような気がします。(笑)

次回では、そのあたりのところについて考えてみたいと思います。