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インド人もびっくりのインド英語熱

2023年6月5日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

私は「英語」をその英語がネイティブ英語として話されている土地ごとにくくって「イギリス英語」「アメリカ英語」「オーストラリア英語」のようにまるで独立の言語かのように扱うことをあまり好ましいことだとは思っていません。

実際にこのブログでも「イギリス英語とアメリカ英語」という記事を書いて以下のような指摘をさせていただきました。

「英語に関する言い訳として、『自分はロンドンに留学したから、アメリカの英語は分からない。』などということを言う人がいます。これは本当に『英語ができない』言い訳のように聞こえてしまいます。なぜなら、『イギリス英語とアメリカ英語』の違いは所詮『発音』と多少の『語彙』の違いすぎず、その発音についても上記にまとめられる程度のものだからです。もちろん、自分が英語を身に付けた土地の発音と違えば、最初は違和感は感じるものです。ですが、そんなものは5分も話せば自然と慣れてきますし、分かりにくければ聞き返せばいいだけ(だから)です。」

また、日本人の「ネイティブ英語信仰」についても批判的にとらえ「国際英語とネイティブ英語」という記事にて、世界はすでに母国語を英語としない人同士の共通語としての「国際英語」の存在意義がもはや「ネイティブ英語」としての存在意義を超えてしまう勢いで大きくなってきていることをお伝えしてきました。

私は、この二つの視点で「あるべき英語に対する認識」を訴えてきたつもりでしたが、先日(2023年5月28日)の日経MJで、この件について深く考えさせられる記事を見つけたのでご紹介します。

その記事のタイトルは「インド人もびっくり『インド英語』熱」です。以下にこの記事を要約します。

「今や世の関心はインドだ。年内にも中国を人口で超え、数年後には日本の国内総生産(GDP)を抜く見通し。存在感が増すなか、きたるインドの時代を見据えて『インド英語』を学ぶ人が増えている。インド文化などをテーマに独特の表現や発音を学ぶ。同団体の福井貴久子さんは『どのくらい需要があるのか分からなかった』と話すが、3月から約2カ月のトライアルとして企画したところ、20人近い応募があった。受講者の多くは日本居住者だ。開発コンサルティング会社のパデコ(東京・港)で働く上田尚代さんは、インド法人スタッフとやり取りするなかで『背景にある文化も含めて理解したい』との思いから参加を決めた。栗山晶子さんはインドに一時住んだのをきっかけに、文化や習慣に興味を抱いた。渡印直後にかかってきた電話が忘れられないという。宅配便を意味する『courierが聞き取れなかった』。講師の一人、サダフ・シェークさんは『Rは巻き舌で発音する。theやthisは日本語のダ行のような音になる』と解説する。『thank you』が『タンキュウ』に聞こえるなど、慣れるまではなかなか難しい。講師を引き受けたシェークさん自身も『インド英語を学ぶ』というコンセプトに『そこまでしてインドを理解したいのか』と意外に思ったという。まさにインド人もびっくりであるが、好評につき第2期も開講する予定だという。」

確かにこの「インド英語」という認識は、その土地ごとに英語をくくっているように見えますが、非ネイティブ英語であるインドの英語を「インド英語」とすることは、ネイティブ英語を「イギリス英語」「アメリカ英語」とくくることとは明らかに性質が異なります。

なぜなら、ネイティブ英語間の違いは、冒頭で引用したように「5分も話せば自然と慣れてきますし、分かりにくければ聞き返せばいいだけ」ですが、非ネイティブ英語、特に「インド英語」についてはそこまでの互換性が認められず、記事中のように「2カ月」もかけるべきかは別として、ある程度の研修をもって対応することはそれなりに意味のあることだと思うからです。

私は、この記事の内容は少し行き過ぎではないかと思う部分もないわけではないですが、日本においてもようやく英語をあくまでも目的に応じて使用する「道具」として認識することができるようになったことの証拠のように思えて少々うれしい気持ちにさせられました。

日本の英語教育における「ネイティブ信仰」からの解放も近いかもしれません。