日本人と英語

イギリス英語とアメリカ英語 その2

2019年4月19日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語に強くなる本」からいくつかテーマをいただいて書いていきますが、「イギリス英語とアメリカ英語」、第二回目は、前回の「発音」にひきつづいて「単語」の違いについてです。

前回は「イギリス英語とアメリカ英語」の違いなんて所詮はこんなもんですよ、と言ってあげることは有益なことではないかということで、「発音」の違いについて本書からの引用をしましたが、今回も同様に「単語」の違いについての指摘を本書から引用したいと思います。

「19世紀のイギリス作家チャールズ・ディケンズはアメリカ講演旅行に一度ならず出かけていますが、アメリカ人がright awayというのを聞いて、はじめはちょっとわからなかったと書いています。イギリス人ならjust nowというところです。19世紀の時点ですでにそうですから、現在ではもっと違いが広がっているでしょう。とはいえ、両国民が互いに分からないというほどではありません。イギリスでは、秋のことをautumnと言いますが、アメリカではfallと言います。発音とともにこの単語の違いは、先祖のピルグリムファーザーが持ち込んだ古い英語をアメリカは残し、イギリスではそこから変化したことから生じています。それ以外には、イギリスでは卒業のことをgraduation、薬屋のことをchemist、エレベーターのことをlift、鉄道をrailway、手荷物をluggageと言いますが、アメリカではそれぞれ、commencement、drugstore、elevator、railroad、baggageといいます。また、建物の一階と二階のことをイギリスでは、ground floor、first floorと言いますがアメリカはfirst floor、second floorと言い一つ食い違います。日本はアメリカ式なわけです。発音の場合と同じように、両社の違いばかり気にしないでむしろ似たところや一致しているところが甚だ多いのに安心しましょう。日本人は、どうも難しい言葉遣いが好きであるのと同様に、こういう点を気にしすぎる傾向があります。(一部加筆修正)」

著者もおっしゃっているように、これらの違いは、「ああそうですか」と受け流してしまっても問題ないほど小さなものだと考えます。

日本国内においても、エスカレーターを歩かない人は、関東では左側、関西では右側に寄るというルールがあって、私などたまに関西に行ったときに少し戸惑ってしまいますが、これと同じくらい小さなものだと思っていいでしょう。

しかも、著者が本書を書いた1961年当時から比べると、インターネットの時代になってから加速度的に両者の交流が増加し、お互いに影響しあうことによって両者の違いの重要性はより少なくなっていると感じています。

例えば、私がアメリカに留学した1999年時点ではすでに、アメリカにおいては卒業という意味でcommencementという単語を使っている人に会ったことはなく、ほぼすべてgraduationでした。

私たち日本人はどちらの国で英語を学んだとしても、発音もそうでしたが、単語の違いを「英語ができない」言い訳にするべきでないことを肝に銘じなければなりません。

 

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