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ファミリービジネス

2016年12月2日 CATEGORY - 代表ブログ

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皆さん、こんにちは。

今回は、星野リゾートの星野社長や日本交通の川鍋社長ら、名だたるファミリービジネスの実行者が登場して、ファミリービジネスのありようについて語っている「ファミリービジネスマネジメント」をご紹介します。

私自身、ファミリービジネスの真っ只中にいるわけで、非常に大きな興味をもって読みました。

本書の中で一番印象に残っているのは、星野社長の次の言葉です。

「ファミリービジネスとそうではないベンチャービジネスや外資系企業の大きな違いは、前者が後者と比べ、会社を伸ばすこと以上に会社が次の世代に生き残ることを優先させる経営判断が前提であるということだ。」

この言葉に、私としては100%同意いたします。ちなみに、わが大芳産業株式会社の経営哲学も「持続可能な経営」です。

会社に入ったばかりのころ、私の周りのいわゆる自ら会社を興した若い創業社長が、世の中の波に乗り遅れないようにアグレッシブな行動を次から次へとバンバン繰り出していく様子を見て、非常にうらやましいという感情を持っていたことを思い出します。

一方で当時私は、自ら斬新だと思うアイデアが浮かんだ時、父である社長に「お伺い」を立てて、多くのケースで納得してもらうことができずに却下され、「なぜだ」と臍をかむことが多かったからです。

今では私も、先祖が積み重ねてきた有形無形の財産を預かりながら事業を行っているというファミリービジネスの成り立ちを踏まえて、この違いを前向きに理解できるようになっているつもりです。

その意味で、ファミリー企業とそれ以外の企業における経営判断というのは異なってしかるべきかと思います。

ただ同時に私は、一昔前と現在とでは経営環境そのものが、ファミリー企業の前提に大きな影響を与えていることも強く感じます。あらゆる業界が大きく変動している現在、お茶屋がお茶屋で、倉庫屋が倉庫屋でそのままあり続けることが、20年前とは比べ物にならないほど難しくなっていると思うからです。

この激動の時代において、ファミリービジネスを次世代に繋いでいくその「継ぐ形」には変化があってしかるべきではないかと考えます。

ファミリービジネスである以上、大前提として次世代に繋げることを最大の目標としながらも、実際の活動としては、一般的な企業と同じように世の中の需要を捉え、その姿を柔軟に変えていく姿勢も、当然のこととして併せ持つことが重要でしょう。

そうなると、ファミリー企業もそうでない企業も同じ土俵で戦わなければならないわけですから、アグレッシブな行動を次から次へとバンバン繰り出していける後者の方が断然有利となってしまうような気がします。

しかし、星野社長はこの点においても以下のような言葉で勇気を下さっています。

「家業がある人で継ぐか否かで悩んでいる人に対する私の回答は常に『継ぐべきだ』です。なぜなら、自らが全く新しい事業を立ち上げるのは、あまりに難易度が高いというのが現実であるのに対して、ファミリービジネスは、時間の洗礼を受けている分、サバイバルリスクが最初からヘッジされているからです。であるなら、自分の人生に与えられた使命として受け入れ、それを大きくし、誇りを持てる会社に変えればよいのです。」

ファミリービジネスを行う「企業」を次世代に繋ぐという目標は最上段に掲げつつ、企業として戦う「土俵」も戦いの「方法」も、いかようにも自分で決められるわけですから、ビジネスマンとして生きていくことを少なくとも決めている人間で、すでに時間の洗礼を受けている企業を引き継げる環境にある者にはそれを拒む理由がないというこの言葉は非常に説得力があると思いました。

しかも、そのような環境にある人間は大体、子供のころから家業にもまれて育っているというトレーニング上の利点もある場合が多いはずです。

まあ、そう自分に言い聞かせて前を向いていけ、という星野社長からのエールだと受け止めました。

 

 

 

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