マレーシアが北朝鮮と友好国だった理由
2017年3月19日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
以前にも書いた記憶があるのですが、国内の報道を見ていると、どこも横並びの情報源から、同じような切り口のものに終始しています。
最近になって、池上彰さんのような初心者にわかりやすく解説するような番組も出てきましたが、大方は相変わらずです。
私が、ここのところの「金正男氏暗殺事件」関連のニュースを見ていていつも気になっていたのが、「マレーシアはなぜ北朝鮮と友好国であったのか」という疑問です。
普通に考えて、マレーシアのほうにここまで国際的に批判の多い国と「友好国」であるメリットが見当たらないというのが私の感想でした。
例によって、「マレーシアが北朝鮮と友好国だった理由」などの文章をグーグルの検索窓に打ち込んでみたのですが、期待するような情報は得られませんでした。
ようやく、先日(2017年3月14日)の読売新聞の朝刊にざっくりですが、その疑問に答えてくれる記事が載っていました。
要約すると次のようなものです。
「マレーシアは北朝鮮にとって労働者の出稼ぎや武器売買による外貨獲得の重要拠点として機能していたが、これは北朝鮮の一方的なメリットにとどまらず、両者もたれあいの構図ができていた。」
マレーシアでは近年の目覚ましい経済発展によって平均所得が上がり、鉱山などでの労働を自国民が敬遠して深刻な人手不足となっている現状を、北朝鮮の出稼ぎ労働者がその穴を埋めてくれていたという事情があった。
国際社会では、北朝鮮の出稼ぎ労働について、「一種の強制労働」であるとして批判をしており、多くの国がその受け入れを躊躇する中、マレーシアは背に腹は代えられないとして、その批判をかわして北朝鮮との関係を継続してきた。
そのような関係の中で、マレーシアは軍需産業を中心に北朝鮮の製品を受け入れるなどしてきており、北朝鮮にとっては、労働力輸出とともに貴重な外貨獲得源となっていた。
以上が私が知りたかったマレーシアが北朝鮮と友好国だった理由です。
とはいっても、マレーシアの貿易に占める北朝鮮の割合は非常に限定的なので、今回マレーシアは、これまでの友好関係を清算する覚悟で、今回の問題に対処しているということのようです。
この記事のおかげで、ようやく私の疑問に一定の納得がもたらされたわけですが、この事件が起きてから、この記事が出るまで、1カ月を要したことになります。
この疑問をもって、いろいろ検索してみても適切な情報が得られず、いらいらしていた人は私以外にもいたはずです。
是非、マスコミの皆さんには、もう少し早い段階でニュースの背景にも目を向けた報道をいただきたいなと感じました。