人は夢を持つべきじゃない?
2015年10月30日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。 皆さんは、人の話を聞いて、心の底から「面白いな~もっと何時間でも聴いていたいな~」と思ったことはありますか?
先日、久しぶりに「何時間でも聴いていたい」と思えるような人の話に出会いました。それが、冒頭写真の予防医学研究者石川善樹氏のお話しです。 特に、面白いと思ったのは「興味の一貫性」というトピックについてです。
一般に、人は「夢をもつ」ことは結果につながる良いことだと教えられますし、そのように納得しているものです。 しかし、実際には、この当たり前のように信じられていることがらが、本当かどうかを研究されていないということに気づき、それならば自分が研究しようということで、元オリンピック選手である為末大氏と協力してこの問題に取り組んできたそうです。 彼らは、多くのオリンピック選手への聞き取り調査で、「小さいころからオリンピックで活躍するという大きな夢を抱いていたか?」という質問をしたそうです。 それに対するほとんどの選手の答えは、「NO」でした。では、何が彼らをオリンピックという大きな舞台に向かわせる原動力となったのかを調べると、「今日一日、何を練習するのか」を毎日毎日きっちり考え、それを実行するということだったということが分かりました。
つまり、はじめから大きな夢を抱くのではなく、毎日毎日小さな目標を立て、それをクリアすることを習慣にしていくと、ある時、自分自身がオリンピックに手が届くかもしれないところに来たことにふと気づき、そこから具体的に、その大きな目標を持つに至ったということを多くの選手が語ったと言います。
とはいっても、「毎日毎日小さな目標を立て、それをクリアすること」を習慣にすることは、非常に単調なルーティンであり、続けることは非常に大変なことです。 なぜなら、ルーティンは単純で、「興味」を持ち続けることが難しいからです。つまり、「興味の一貫性」を維持することが難しいのです。
彼らは、この研究によって、優秀な選手たちは、この難しいことを続けるために、共通な性質を身に着けていることを突き止めました。 それは、「日々のルーティーンの中に”遊び”を発見する」ということです。 これができたものだけが、「興味の一貫性」を維持することでき、長く活躍することができるというのです。 ですから、教育者としてすべきは、子供に対して「大きな夢を持ちなさい」と訴えることではなく、自分の進むべき分野において「日々のルーティーンの中に”遊び”を発見する」ことができるようなスキルを身に着けさせることではないかという結論にこの研究結果は行きつくのです。