代表ブログ

悪しき目標

2013年1月13日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

最近、急激に伸びている英語学校があります。

TVコマーシャルも、英語学校の中では最近一番頻繁に出されていると思います。
(冒頭の画像はこのコマーシャルとは関係ありません)

この学校に通ったことがないのでその内容について批評できる材料は私は持っていません。

しかし、このTVコマーシャルに限って言えば、私は日本人にとって大変な悪影響を及ぼすものだと思っています。

ハンサムな日本人の男性が、非常に流暢な英語で外国人を相手に気の利いたネイティブっぽい英語でやり取りをする内容です。

一般的には「英語ができたらかっこいいな~」と思わせるのには十分なインパクトを持っています。

実際に、私の家族の女性陣も彼がTVに映るたびに目がハートになっています(笑)

しかし、このアピールの仕方自体が日本人をいつまでも英語から遠ざけている元凶なのです。

「ネイティブ至上主義」

このことに対する批判を私はいろいろなところで主張してきました。

「自分たちが到達する必要もない目標、そして絶対に到達できない目標を掲げること。」

と言いかえてもいいです。

これは、明らかに英語を「使えるようになりたい」日本人の大人にとって、まったく意味のない目標です。

そして、不可能な目標です。

ましてや、あの内容は唐突で、話の前後関係なしに、英語圏の文化背景に基づくコンテクスト(文脈)の中での会話をして見せることで日本人離れしていて「かっこいい」と思わせるために使用されています。

日本人が海外とつながるために英語を必要とするときに必ずキーワードとなるのは「異文化コミュニケーション」というものです。

これは、異文化で育ち、お互いに異なったコンテクストを持った者同士のコミュニケーションには、まずお互いのコンテクストのすり合わせが欠かせないということです。

正直に言って、私はあのコマーシャルの中の日本人が発している英語を一回聞いただけでは理解できませんでした。なぜなら、コンテクストが共通であることを前提とした人同士の「突然の」会話だからです。

つまり、日本という文化圏のコンテクストを持つ私には非常に分かりにくいのです。

英語の専門家を自負する私が分からないのであれば、ほとんどの人にとってあのシーンは「TOO MUCH」だと思うのです。

もっと身近にもっと必要な範囲で適切に英語の必要性を説くことが、日本人を英語に親しませるためには必要なはずです。

そのために、私は、いつも日本人の目指すべき英語はネイティブの英語ではなく、故アラファト議長のような英語だと言い切ってきました。

アラファト議長の英語はこんな感じです。

 

母国語のなまりを前面に出しながらも、自らの持っている限定された英語知識をフルに活用して、自分の言いたいことを相手に伝える姿勢を伴った英語です。

アラファト議長の英語が、あまりに・・・と思われる方には、かつてのNOVAのコマーシャルを見ていただきたいと思います。

その様子が、このビデオです。

 

今では悪名高い英会話学校の代名詞みたいに言われるNOVAですが、当時のコマーシャルについては、私は日本人にとって必要な英語のイメージを伝えるのにはとても優れたものだと高く評価していました。

もちろん、評価するのはコマーシャルのみですよ。

被害に遭われた方々を思うと実際の内容についてはとても評価できるようなものではないことは念のためお断りしておきます。

ぜひ、皆さんには、自分にとって適切で必要にして十分な英語とはどのようなものかを具体的に考え抜いた上で「目標」を立てるようにしていただきたいと思います。