外国語上達法 #65
2014年7月22日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 外国語上達法
【著者】 千野栄一
【出版社】 岩波新書
【価格】 ¥720 + 税
【購入】 こちら
この本には、外国語学習に関する多くの言葉が紹介されます。それらの言葉はあまりに無造作に次から次へと紹介されるのですが、そのどれもが珠玉の言葉です。
ここでは、そんな珠玉の言葉をいくつかご紹介したいと思います。
例えば外国語の習得を以下のような例えになぞらえた言葉。
「語学の習得というのはまるでザルで水をしゃくっているようなものです。絶えずしゃくっていないと水がなくなってしまいます。水がどんどん漏れるからといって、しゃくうのはとめるとザルは空になってしまうのです。」
これは、忘れることを恐れず、常に継続することが語学習得の根本であるという教えです。この考えをいつも頭にとどめておけば、自らの「二歩進んで一歩下がる」の「一歩下がる」について必要以上に悲観して歩み自体をやめてしまうなどという愚行をしなくてすみます。
続いて、著者の「外国語上達に必要なものは何か」という質問に対する著者が尊敬する語学名人の答えです。
「それは二つ、お金と時間です。外国人に日本語を教え、その代わりにその外国語を教えてもらうというスタイルはよく聞きますが、そうやって外国語をものにした人にあったことがないのは、そのような人々が時間を使っても、お金を使っていないからでしょう。」
そういえば、ランゲッジ・ヴィレッジの受講者で最も上達が早いケースは明らかに「有給休暇を使い、しかも自費で参加するビジネスマン」のケースです。
この点については私も経験からまったくそのとおりだと自信を持っていうことができます。
このように本当に心の底から納得できる言葉とページをめくるたびに出会うことができるのです。1986年に出版されたものですが、いまだにまったく色あせていません。そして、いまだに絶版になっていません。
まさに珠玉の一冊といっていいと思います。
文責:代表 秋山昌広