文脈力ランキング
2017年11月24日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
前回は齋藤孝教授の「文脈力こそ知性である」をテーマに、知識と知性の違いがまさに「文脈力」であるという話をしました。
私は、本書を読み進めていく中で、現在生きている人の中で最も齋藤教授の仰るところの「文脈力」すなわち知性が高い人は誰だろうと考えた時、パッと一位と二位の二人の顔が浮かびました。
一位はダントツでタモリさん、そして二位は黒柳徹子さんでした。
タモリさんが一位しかもダントツでということに一番共感してもらえるであろう材料が、NHKの「ブラタモリ」という以下の番組だと思います。
「街歩きを趣味とするタモリさんが、日本各地をブラブラ歩いて、独自の視点で現代の街並みに残る《歴史の痕跡》を発見。街の変化のいきさつを空想・推測し、地理学、地質学的な側面を掘り下げ、その街の魅力を独特の軽妙なトークで深めていくという番組」
私は、毎回欠かさず録画してみるようにしているくらいこの番組にはまっています。
この番組では、必ずその土地の地質学や歴史学に詳しい非常にマニアックな専門家が、ガイドをしながら唐突な質問を、タモリさんに浴びせるのですが、これにいつもタモリさんが正答してしまい、毎度その専門家の方々を驚かせるのです。
しかも、それらの質問は、基本的にその土地だけに関することなので、タモリさんが事前にその知識を得ているということはほぼあり得ないのにです。
まさに、タモリさんのこの能力こそが、知識と知識とをつなげて意味を作り出してしまう「文脈力」なのだと本書を読んで私の中で「つながった」のです。
二位の黒柳さんについては、非常に息の長い長寿番組ですのでご存知の方は多いと思いますが、TBSの「日立世界ふしぎ発見!」での正答率がダントツに高いことで共感していただきやすいと思います。
これは、私の小学生のころから続いている番組なので、私が子供だったからそう感じていたのかと思って、先日、久しぶりに見てみましたが、やはり今見ても驚くべきものでした。
そんなようなことを、本書を読み進めながら感じていたために、このブログで本書の紹介の中でこのことに触れようかなと思っていたら、なんと、最終の部分において、齋藤教授自ら、タモリさんのことに触れられていたのです。
齋藤教授は、赤塚不二夫さんの葬儀のタモリさんによる伝説の弔辞のことを持ち出して、彼の「文脈力」の高さについて言及されていました。
この弔辞は、タモリさんが、自分を芸人として見出し、まだ目が出ていないうちから確信的に目をかけてくれた恩師である赤塚不二夫さんの死に対し、読み上げたものです。
しかし、その読み上げられた弔辞は、実は白紙で、タモリさんがその場で即興的に「語った」ものだったというのです。
タモリさんは、ご自身と赤塚さんの人生で絡み合ってきた文脈の濃さをもろともせずに、そのメッセージをそこにいる弔問客全ての心に届けたのでした。
本書では、齋藤教授は様々な人を「文脈力の高い人」の例として挙げられていますが、その最後に、タモリさんのこの白紙の弔辞のエピソードをあげられたことで、タモリさんの文脈力の高さがダントツの一位だと確信していた私自身の文脈力を認められたような気がして、すごくうれしくなってしまいました。
今回は、このような自慢話で閉じたいと思います。笑