代表ブログ

日本再興戦略

2018年4月15日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

少し前に落合陽一氏の「これからの世界を作る仲間たちへ」という本を紹介しましたが、引き続いて彼の「日本再興戦略」を読みました。

前回も彼と彼の父親である国際ジャーナリストの落合信彦氏のエピソードをご紹介しましたが、改めて本当にこの親子はその時代時代において世の中の若者に進むべき道を力強く指し示す役割を果たしているなと感じました。

なぜ日本が欧米に比べて停滞しているのか、なぜ今著者が「日本再興戦略」を語らなければならないのか、この問題の解決の第一歩として著者は、日本人の物事を自分自身で考えないという性分を何とかしなければならないと主張します。

その例として印象的だったのは、「欧米」という日本人が当たり前のように使っている言葉を使うメンタリティを改めるべきだという主張です。

よく考えてみると、「欧米」というものは存在していません。

欧州と米国は全く別物です。当然ですが、欧州と米国が一緒だと思っている西洋人は誰もいないわけです。日本にはこのように普段何気なく使っているくせに本当の意味を突き詰めて考えられていない単語がたくさんあります。

この指摘は、以前にご紹介した武田砂鉄氏の「紋切型社会」での指摘にも共通するような気がします。

また、これは言葉だけではなく、制度についても言えることです。

この言葉や制度は欧州から、別の言葉や制度はアメリカからと、こちらの都合で取り入れたものは、その時代にはマッチしたいわばいいとこどりの効果を発揮するのですが、時代が変わってしまうと、逆に悪いとこどりの状況となりがちです。

なぜなら、それらは自分の頭で考えて作り出したものではないので、状況が変化した時にその変化に合わせて自らの力で変えることができないからです。

しかも現在の日本はまさに成熟しており、他者にをお手本を求めることもできないため、このように長い時間停滞から脱却することができずにいるという見立てです。

そんな日本に向けて彼が提案するのは、まず一度「日本には何が向いているのか」をじっくり考えることです。そして、彼は「東洋的思想」が日本に向いていると言います。

その一つの例として以下のような指摘がありましたのでご紹介します。

「西洋思想と日本の相性の悪さは仕事観にも表れています。今はワークライフバランスが重要だという風潮ですが、ワークとライフを二分法で分けること自体が日本には文化的に向いていないのです。日本人は仕事と生活が一体化した『ワークアズライフ』の方が向いています。日本は歴史的にも労働者の労働時間が長い国家です。というよりか生活の中に労働を含む文化を持っていました。しかし、それが過労につながりませんでした。労働を生活の一部とすることでストレスを少なくすることができたからです。逆に言うと、このような文化を持つ日本人に時間・ノルマやオンとオフを切り分ける労働スタイルを強制することはそのストレスを高めてしまうのです。無理なく続けられることを生活の中に入れ込み複数行うことが大切なのです。」

日本人なんだから当然のような気もしますが、西洋的な価値観で高度経済成長を経験してきた日本人にとっては、簡単なことではないと思います。

ですが、今日本が再び輝きを取り戻すためには、まずは自分の頭で考えることを当たり前の事としてとらえられるメンタリティへの転換が必要だという著者の主張が正しいことは確かだと思います。

この「ライフワークバランス」という言葉が錦の御旗のように扱われる現在において、真正面からこのような主張を投げかけられる著者の姿勢には血は争えないなと思わせられます。